ことば

ひもじい思い

富山駅の周辺で寝起きしていた方がおとといの朝、冷たくなっているのを発見された。地下道にうずくまるようにして、時々地上でカップラーメンをすすっている姿を見かけていた。足が悪いらしく膝を伸ばしたままで、時々、毛布をかけてどこに目を合わせるわけ…

若者とコンビニ

国民年金の納付がコンビニでもできるというアピールのため、コンビニ各社といっしょに大臣が広報活動を行っていた。そこで、小泉という政治家が、若者はコンビニに行かない日がないという発言をして、ことさら若い世代とコンビニを結びつけようとしている。…

日本海側初!

朝刊で久しぶりに見た表現、「日本海側初」。他にも、「日本海側最大」などの表現もあるが、この奇妙な言い回しには子どもの頃から気になっていた。ということは、ほとんど多くのものが太平洋側、いや、対になる概念が「太平洋側」なのかどうかさえ疑わしい…

幸運を経験則にしてはいけない

「山登りに行くのにガイドを頼んだら、ガイドからヘッドランプの携行を促されて参加者全員に指示をしたが、結局使わなかった。」 「少ない人数なので、担任だけでも大丈夫。ガイドがこなくてもいざとなったらか何人か下ろすことは可能」 いずれも、学校登山…

おいしいお米は好きですか?

今日、見かけたコピー。 わからん。 おいしくないお米というのをわざわざ生産して販売する人もいないし、好きですか?って聞かれてもなあ。 お米は好きですか?なら成り立つ。 表現のわかりやすさとして、おいしいとか、好きとかを並べたもので主張するのも…

自主学習

学力論争があって、いじめ問題があって、体罰が社会問題化し、学力のプライオリティが低下した感じがするのは、メディアが一律に物事を報道するからかなとも思っていて、経済状況の好転がどこでどうなって現れているのかわからないまま、以前の問題がそのま…

権威

文部科学省の報告書を読んでいたら、教員の生きにくさの要因のひとつに教師に権威の低下があるという。 え、権威。 平気でこういうことばを使うんだな。 信用とか、信頼でいいと思うのだが、敢えて使っているとしたら全く奇妙な話だ。 自分らは、そういうも…

泊・横浜事件

治安維持法下最大の思想弾圧事件、横浜事件は、でっちあげの事件で多くの人が拷問を受け、獄中死4人に至った事件として知られている。終戦後、治安維持法が廃止になる直前に有罪判決を受けた人々が度重なる再審請求の果て、四半世紀後に言い渡されたのは、免…

あしらい半分

戸隠にそばの名店、うずら家がある。 この店で修行した後輩が店をもっているということもあって、戸隠を訪ねるとしばしばそばを頂戴しに行く。 祖父も好きだったそうで、交通の便が悪い時分でもわざわざ東京の帰りに立ち寄ったらしい。さらに、糸魚川の泉家…

north ALps

大好きな白馬で見つけた英語表記。 大体何でアルプスなんだろう。イギリス人の鉱山技師が使ったことばで、北アルプス、中央アルプス、南アルプスという表現は、日本山岳会の小島烏水がつけたらしい。普及に関与したのは、ウオルター・ウエストンというところ…

教育的な体罰

学校教育法は、児童生徒への懲戒を認めているが、体罰を禁止している。平成19年に文部科学省は見解を発表し、例えば、こういうのは体罰だと示した。荒れる学校を抑えるため、ある程度の厳しい指導は必要との考えが背景にあったらしい。 それによると、肉体的…

下宿生の選挙権

昨日の朝日新聞のリーダーズコラムに、大学生の意見。20歳とあるので、今回選挙可能だったらしい。 この人は、下宿先に住民票を移動していないらしく、下宿先で選挙ができなかった模様。それは、おかしいという意見だと読み取った。法の下の平等みたいなこと…

政治のことは政治家に

明けた月曜日のコメントを見ていたら、 政治のことは政治家に任せておきましょう という意見がかなりある。 任せておいた挙句、いろんな問題が噴出している。 硬性憲法を柔らかくして、集団的自衛権を容認し、核軍備、原発を動かし、日銀をコントロールして…

モンブランとスイートポテト

モンブランが流行っているそうで、いただきものや職場での振る舞いに出てくることも多くなっている。モンブランの甘ったるさが嫌いで、そんなに栗を食べたければ、焼き栗でいいだろうと叫んでいるが、実は、もうひとつ毛嫌いする理由がある。 モンブランがな…

急に価値が変わる

何か栄誉を受けた人がいると、その人のこれまでのことばまで価値のあることばとして称揚される。栄誉の前後で、その人自身は何も変わっていないのに。栄誉も何もない人のことばでも、僕らは心を打たれるのです。 原発の事故の前も後も、元々システムとして持…

信用されないのはきついことだ

そんなことを考えたことはあまりなかったが、この仕事続けられるかなと考えていた。 よく人が叱られていて、それでいっしょに気持ちがめげるってことがある。 叱責されたわけでもないが、疑り深い言葉というのはきつい。自分のことを名指しで言われているわ…

こわばる

夏休みが終わろうとしている。 時々、小学校高学年から中学校の頃のことを思い出すと、心がこわばる。いつになったらこに感触から逃げ出すことができるのだろう。誰からも信頼されていないという強迫観念が一人歩きをする。 夏休みを思い出しても、毎日、図…

お家芸

男子柔道の金メダルの歴史が途絶えた。本家として、お家芸を奪われたような格好で、なかなか魅力のある篠原監督の辞任は必至である。こうなると、国際柔道のあり方などがとやかくうるさく、何が柔道かの本質論みたいなものも噴出して、柔道そのもののおもし…

平和的な一体感

恒例になった週末デモの参加者が描くこのことばに、むしろ、閉塞感が増す。 デモは元々示威行動をその本旨とするはずなのだ。その場所に何十万人も不条理に集まることで、理不尽に対して違和感を突きつける。収まりそうもない気配が何かを動かす、そういう機…

ライパチくんへ再掲

かつて、お立ち台にて。 アナ「松坂投手との対戦どうでしたか?」 イチロー「いやそんな事はどうでもいいんですけどー」 アナ「・・・」 アナ「今日のヒットで再び4割超えましたが」 イチロー「それもどうでもいいんですけどー」 アナ「・・・」 アナ「何か…

感動的なのか

宮間主将のことば 「ここに立てるのは選ばれた18人だけ。大切な思いや大切な人たちがいて、私たちは戦っている。ここからの6試合、お互いのために戦おう」 結果を知っているから意味を感じることば。 こういう追認の物語による追いかけ感動の嵐が、これから2…

ライパチくんへ

かつて、お立ち台にて。 アナ「松坂投手との対戦どうでしたか?」 イチロー「いやそんな事はどうでもいいんですけどー」 アナ「・・・」 アナ「今日のヒットで再び4割超えましたが」 イチロー「それもどうでもいいんですけどー」 アナ「・・・」 アナ「何か…

原子力発電ということばはおかしい

基本的な懐疑なのだが、考えるほどに、奇妙な感じがまとわりつくものはたくさん、ある。 省電力、省エネルギーのために、何とか涼しもうと、冷たいものを食べて涼感を増そうとする試み。饅頭を冷やして食べる。氷を入れたラーメンを食べる。そこで、なぜ、エ…

大きな音

ある広報紙の会合。実は、編集長。 でも、実際は、事務の人がいて処理してくれる。 編集意見を述べると採用された。 こういうのはうれしいものだ。 受け入れられるということ。 受け入れられる自分を感じることのうれしさを時々、子どもたちのアクティビティ…

潤うのは地元

原発によって、原発立地が潤っているという言い方が一般的になっている。これにはどうも違和感を拭えない。原発立地のリスクを負わず、供給された電力を消費するだけの場所が一番潤って恵まれているんじゃないか。 僕が住んでいる地域の川にはどこにでもダム…

面白い野球のスコア

今朝の朝日新聞天声人語で、フランクリン・ルーズベルトが、一番面白い野球の試合を8対7と言った話が紹介され、天声人語氏は、6対5くらいがしまっているという。 こういうのはよく議論があるが、僕はこうかんがえている。 まず、5点打線という言い方があり、…

勝ち負け

テレビの討論番組に出るっていう議員が顔本で他の出演者の名前を並べて、勝つぞーと書いていた。勝ち負けじゃないぞというコメントが流れていたが、これを読んで湾岸戦争を思い出した。 アメリカはこのところ、どこでもそうなのだが、戦争には勝つけれど戦後…

街グルメ

街グルメの売り言葉。 穴場的。 隠れ家的。 新感覚。 言うに困った感じが詰まっていて、好ましいが、そう書いてあると行こうって気にならないな。 B級グルメもずいぶんと人気が出たけれど、もともとはその土地の人たちには一般的で、高級というわけでもとび…

読書週間

読書は人生のためになるとか、得になるとか言われると、途端にひねくれたくなる。得になろうが、人生に有益だろうが、本を読むのは面白いし、おそらく、為にもならぬ悪書も読むし、どうでもいい猥雑なものを堪能するし、一方で、自分の中での名作を繰り返し…

安全神話

原子力発電所の安全神話にだまされたと今も繰り返される。本当に信じていたんだろうか。どう考えても、原子力発電所は想定内でしか安全ではない。人為に頼らず放っておくことができないものに安全が確保されるわけはない。それはむしろ人智を過剰に見積もっ…