間抜けな解答

ヘキサゴンとかいうのをやっていてとんとルールにぴんとこないのだが、しばらく見ているとどうやらうまく答えられないのを笑い飛ばす番組らしいことがわかった。間抜けな解答をする人も最近はその手のアイドルと化して、それなりの仕事が回ってくる時代になったらしい。間抜けな解答者の代表格は、先代の木久蔵師匠だが、真剣に間抜け、え、おバカっていうのか、真剣におバカ(って身も蓋もないな)という点でキャラクターが際立ってきたようだ。作為もなく、仕込みもなく、巣の状態で見せてそれをおもしろがるという点では、テレビ業界のヒットネタ「動物」に近い気さえする。
しかし、あまりにもいじりかたがよくない。あれを実際の人間関係でやられちゃうとかなわん。ファミレスなどで目にするのは、家族で食事をしながら、まだまだものを知らない子どもを親が同じようにいじっている。知っている人が知らない人をからかう。あるいはそのことで優位に立つ。パワーハラスメントだろう。
よく聞いていると、出題が演出なわけで、おバカな人が次第に賢くなってくるせいだろう、多くの人が間違えやすい問題と出題の表現をしている。そうやって、キャラクターが消費されていく。子どもがやがて飽きられ、格付けされるように学校の成績が出てくると、親がいじれる賞味期限が切れてしまう様子にもよく似ている。
時代の空気がそのように映っているのだろうか。
ガソリンの暫定税率廃止についての議論で、与党がガソリン価格を下げるとクルマを使う人が増えて地球温暖化に拍車をかけるなどという馬鹿げた理屈を言い出している。全く開いた口がふさがらなかった。なんでも、エコってついていればありがたがる気配もあるらしく、再生紙の偽装問題が出てからはこの理屈もあまり表だって出てこなくなったが、今使われているクルマに関するコストを下げようというのである。増えるとか増えないの話ではない。そのあたりわかっている人たちがぬけぬけと話すのだから、それはおバカではすまされないし、笑い飛ばせない。何とか言いくるめようという悪意があるとすれば犯罪だし、言い抜けようとすれば責任感の不足である。