北島はすごいものだ

あんまり褒めないのだが、2連覇、しかも、選手の寿命がそれほど長くない水泳での連覇はすごい。そのうえ、世界新記録をたたき出すという力強さに感激する。泣くほどじゃあないけれど、アスリートのたくましさを感じる。
そんな姿を見れば見るほど、むしろ、荻原健司のすごさが見えるのだが、今回、それはいいや。
おかしいのはやっぱりテレビのコメント。50メートルは3位だったのにそこから巻き返した、みたいな言い方をしている。準決勝の北島のレースを見ただろうが。あれを修正すれば、50メートルでどの程度の差を後半でそのままいけるのかを計り尽くしたことくらいわかるだろう。何が何でも1等賞じゃなきゃ気に入らないのだろう。
そうそう、ラジオのコメントでは、谷の準決勝敗退のジャッジが不可解とあった。それはそれでまた、おかしな話。だったら、富樫審判は即刻資格停止だし、再戦だろう。何のことかわからんと思うが、そういうアンパイアがいたんです。
レースやゲームそのものはおもしろい。奇妙なのはその取り扱いだ。家族の愛情だの、地元の声援だの、そういうのはいい。ボクらは小橋がそこに立っているだけでドラマを想像できるのだ。
多くの基本的な想像力を欠いた事件は案外そうしたものの積み重ねで生まれているんじゃないか。
単純で、素朴で、感動好きな、わかりやすい反応。それは幼稚化である。何も発展しない。