納棺師という職業
今朝の朝日新聞で、僧侶の方が納棺というのは家族が行うものだったと投稿しておられた。そのとおりなのだ。青木新門の「納棺夫日記」にもあそのあたりの経緯が書かれていて、講演でもそうした話を聞いた。実際、納棺のときには、ユガンといって家族が亡くなった人を清める作業を入れてある。かつての習俗の名残だそうだ。
今回の映画が絶賛されるたびに、そのあたりの文化的な背景がないがしろにされてしまうことを恐れている。海外の人にはまるでそれが日本の習俗のように感じられたかもしれないが、実はほんの数十年の職業的な分化によって生じた役割であることをもとに、亡くなった方への思い、遺族の心情、切ない場所におけるそうしたものが交錯した場所に立っていることへの賛辞としなければならないのだろう。いや、映画はきっとそういうものになっていると思っているけれども。
山河に立つ。なぜか、青木新門さんの本を読んで出てきたことば。
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