選手権第6戦

立ち上がり東野のアクシデントで流れが変わるかと思いきや、緊急登板の内海がよく投げきった。
降板を告げに珍しく原がマウンドに向かう。よくやったと唇が動き、内海に笑顔、次の瞬間からもういつでも泣き出しそうな表情に。なりはでかいがわんぱく野球小僧なのである。
昔は、ジャイアンツの選手と言えば花形で、どこかタレントじみた風情もあったが、この頃はアスリートらしく、しかも、野球小僧の雰囲気をもっている選手が多くなった。内海と同じようになりだけ大きくて、いつまでもガキくさい清原とか、プロ意識の高い桑田、仁志などが残したものだろう。どこまでも懸命に野球に向き合っている様子が見えてくる。むろん、球場以外は知らないよ。野球に集中していればあとはどうだっていいことだ。
内海は本来ならそのマウンドにいなければならない選手。その投球に全体が揺さぶられ、ぱっと取ってしまった1点、次の1点を守りきった。
もしかすると、8回にダルビッシュがあるかなと思ってもみたが、梨田はいつものビハインドの采配に終始した。今日つぎ込んでも明日が戦えないとでも考えたのか。少し残念だったが、ダルビッシュの状態がやはりどこまでも思わしくないのだろう。
もう1試合見たかったのだが、ここまで。WBCから長い時間を戦いきった原監督は本当に大変だった。何度も書くが、選手としてはそう好きな方ではなかった。しかし、監督としてはONを上回ったというよりも、しっかりと野球を引き継いでいる。今日のインタビューは格別に深く、1年を感じさせるものだった。
ゲームのキーポイントは、二岡、稲葉のブレーキ。森本の打撃。完全に抑え込まれたスレッジというあたりか。日本ハムは完敗である。
今年は、日韓野球。それから、U26だったかな、プロアマ交流戦があってシーズンも終了。バンクーバー五輪のあと、また、新しい戦いまでしのぎを削るような緊迫感がないと思うと、ずいぶん残念。松井のワールドシリーズと原監督のおかげでWBCイチローの苦悩する姿と200本だか打ってしゃいでいる姿に年末のスポーツの風景を独占させることがなくなったのが、なかなか安心である。