1億円

鉄平のバッティングに新井を見るのはボクばかりではあるまい。しっかりと両足に加重を残したままで上半身を崩されても力を伝えられるバットコントロールができるというのは高い技術がある証拠で、3割を大きく下回るシーズンはきっと衰えがはっきりとくるまでないだろうと思わせる。曖昧に勝負どころで気持ちだけでバットを振る山崎との差が歴然だ。今年のCSは明らかに山崎で負けている。いくつかの場面で、気持ちが優先して、技術を見失っている。記録ではなく、あそこで打つことで初めて主力と言えるのだが、山崎はまだそのところまで届かない。わかっていて使っている野村が去った来季、彼の活躍ぶりは推して知れよう。鉄平とよく比較して欲しい。
その鉄平と、田中マルクス闘莉王がほぼ同じくらいの年俸と知って驚いた。野球というマーケットが日本規模でもそれほどの大きさがあるわけでもないのに、世界で活躍しようかという当代一のディフェンダーと同じで、一方は中堅、後者は間違いなく日本サッカー界の名プレーヤーの一人になっている。この差はどこからくるのだろう。
どちらかが奇妙に歪んでいるような気がしてならない。バブルではないが、それはどこかで一気に破綻する可能性も秘めているわけで、野間口が1800万円のプレーヤーと知ったとき、むしろ、そのくらいのものかと納得してしまったあたりにバランスがあるようにも思えるが、きっと野球は頂点だけが突出する構造になっているのだろう。
こういうことをちゃんと調べようとしたらどこを見ればいいのだろう。J2やJFLのプレーヤーの実態をつかむに適当な本でもないだろうか。ボクはとてもそういうところの議論に弱い。
そんなことを考えていたら、かりゆしFC解散のニュース。
難しい時代になっている。