白池〜大網峠

朝、思いつきで大網峠まで行くことにした。
5月3日の小谷塩の道まつりの前夜祭的なイベントとして「春爛漫の北の塩の道を歩く」として塩の道大網峠コースのハイキングが行われるのがこの日で、それなら多少の残雪があっても踏み跡もあって迷うことはあるまいと判断。先週のMさん夫妻の証言もあったので、悪くても白池までは行けるだろうと、10時過ぎに出発。11時には、しら池の森公園を発つことが出来た。すぐに引き返してくる夫妻があって、聞けばすぐ林道は雪に埋もれてズックではどうしようもないとのこと。その言葉通り、すぐに残雪に見舞われる。

それでもさほど難儀することもなく、すぐに白池に到着。大網峠に続く山道は完全に雪に埋もれて、残雪というにはなかなかの積雪。そこを数人の先行者が登っていくのが見えた。これがツアーの人だなと思い込んで、ちょっとだけ休憩してから追いかけた。
雪の急登。久しぶりの感触で、ボクはうれしくてならない。雪の上を歩くのは、何より楽しい。途中、杖にしていた木が折れて手ぶらで歩く。それ幸いとカメラを手にして、いつもより余計にシャッターを切った。彼女が少しばてている様子で、ゆっくりゆっくりと高度を上げる。次第に視界が開け、海まで見通せる。
30分ほどで、角間池。ここから西の尾根を登ると、戸倉山。途中下山してきた人たちが、イワカガミが大変きれいだったと話していた。角間池でお昼にした。静かで、鳥のさえずりが激しく響く。小さい鳥なのに、よくこんなに力強い声になるものだ。

向こうの大網峠の方から登山者がやってきた。大きな荷物を背負って、一目で経験者とわかる。いくつかの情報を手に入れる。
大網峠までは、ここから30分くらい。そこから5,600mまでは雪だけど、その先は積雪がない。
今年は残雪が多い。数年間来ているが、こんなのは経験ない。
ツアーにはすれ違わなかった。自分のトレースだけが残っているはずだ。
少し迷ったが、とにかく行けるところまで行ってみようと決心。歩き出すと、確かにトレースは一人分。どうやらツアーは中止になったとみえる。スニーカーではちょっと歩けない。登山靴なればこそである。
角間池を巻くように高度を上げるとじきに大網峠。そこから下りになる。

信州の山々が見える。もっとも、ここは大網峠北と呼ばれる場所で、大網峠と一般的に呼び習わされている場所は、一旦下って尾根を巻き、もう一度少し登ったところにあるようだ。しかし、信州に踏み行ったところで満足として、また、雪が消えたらくることにする。
下りは一気。登りの難儀がどこに行ったやら。


ゆっくりと下って、出発地点へ。角間池で会った人はここから塩の道を下り、今日は糸魚川まで行くそうだ。
シーサイドバレースキー場まで下り、ホワイトクリフで温泉、糸魚川塩の道温泉へ。いつもは込んでいる温泉も、なぜか人っ子一人いない。柔らかくつべつべしたお湯にゆっくりと浸かって疲れを取り、歩荷茶屋でそばをいただく。ホワイトクリフというお風呂のある施設と、隣のマリンブルーが渡り廊下でつながっていた。いろいろと工夫が広がっている。ベビールームもあったな。歩荷そばと名付けられたそばも、ひりりと冷えたよいそばだった。柵口温泉のそばに風味がよく似ている。
糸魚川ジオパークになったこともあって、いろいろパンフレットが充実してきた。まだまだ、知らない場所や食べ物も多く、これからの楽しみもふくらんできた。
根知谷の途中で、角間池で出会った人が歩いているのを見た。夕方には糸魚川でキャンプと話しておられた。ソロのバックパックもいいものだが、ボクは彼女の体力程度に歩くのが見合ってきた。自分だけだとどうも無理をする。