投手戦の凄味

ダルビッシュ前田健太の投げ合い。野球はすごいスポーツだと感じさせる。
勝った負けたはどうしてもついてまわるが、それ以前に、勝つことへの執念を見せることがプロのゲームだと感じる。
ジャイアンツの東野の投球も凄いのだが、一方的なゲーム展開に紛れて、本当の強さを感じさせないのが悔しいところだ。
岩隈、涌井と、土曜日は好投手が勢揃いする。テレビなんかあんまり見なくなってのだけれど、こういう日にはケーブルテレビがありがたい。成瀬がちょっとふがいなかったのは残念だが、和田も好投。岩隈の完投負けもプロらしい。杉内、マーくんなどパシフィックの力のある投手の登板日が気になる。一般には、パシフィックは投手の交代期を任意に選べるため、スターター、セットアップ、ワンポイント、クローザーと役割分担がはっきりしているような印象があり、実際そのようになってもいるが、完投能力の高い投手が少なくないし、完投機会も詳しくは調べていないが、多いように思う。セントラルは投手が打席に立つために、戦術的に代打が出ることが多く、そのため、しっかり完投する投手が少なくなっている印象があるのだ。クローザーがいわゆる「勝利の方程式」にしっかりと根付いているため、9回まで勝負処を引き延ばすことができないため、6回や7回に好機があると先発を下ろして代打での勝負にかかってしまうことがままある。そのため、むしろ、セントラルではクオリティスタートが重視されている印象が強くなってきた。
そうしたセントラルの投手の中での注目は、ヤクルトのドラフト1位中澤。富山商業出身である。高校時代からバランスの良さに定評があったが、大学社会人としっかりと磨きをかけて、今、ヤクルトで最も安定感のある投手となっている。その要因はしっかりと投げ分けられることにあるだろう。もっともっと人の口の端に上がってきて欲しい選手の一人だ。左腕が優勢の時代にあって、おそらくクオリティスタートで見ると、6回までは完璧投手のジャイアンツ藤井に匹敵するのではないか。
今も野球のおもしろさは廃れていない。
夕方大相撲を見ていたが知っている力士が少なくなった。だけど、相撲のおもしろさはまだまだ深く楽しめる。何が変わったのかなと自問した。変化の兆しは少年雑誌に現れている。少年雑誌の表紙を野球選手や相撲取りが飾ることは、ほぼなくなってしまった。そういう時代なのである。