祭礼

夏越の祓いの祭礼。
夜店の数も少なくなったとはいえ、この日を乗り越えることを、やはり、節目に考える。
昔は、クルマが通れなくなった通りの真ん中を歩くだけでわくわくしたものだが、ふだんからクルマ通りも少なくなってしまって、何だか規制の看板さえ不思議な感じがする。それでも、子どもは走る。真ん中を思い切り。みんなスキップして歩く。子どもは正直だな。
規制の看板の脇に、車止め。爪が突き出した激しい奴だ。街宣車の進入を止めるようなもの。どうやら、町の政権交代で、右翼の街宣車が来たとかいう噂を聞いた。その備えだろう。
年配の人々が少ない。雨のせいかな。もっとも、唐津ものとか植木とか、そぞろ歩けるようなものがめっきりなくなった。昔は、まないたを扱うおじさんがいて、1年に1度だけど、そのときにまないたを磨いてもらっていた。そのおじさんだっていい年だ。構造的に、夜店などなかなか拡大していくようには思えない。
中学生の列に混じって、ベビーカステラを買って帰ると、玄関先にホタルがいた。
父かな、妹かな。今日は、母が不在なので、家に入れてもらえなかった父かも知れぬ。
夏が来るよ。すかっと暑い夏がいいね。