白馬岩岳

ずいぶん久しぶりの岩岳。彼女とは、ここでいっしょにスキーをした。ずいぶん昔のことだ。昭和56年の3月だな。それも同じくらいの時期だったので、そう考えるとゲレンデも雪もずいぶんと違いがある。いつもはコースの途中で土が出ていたんだが、そういうのを改良しながら30年が経っている。
県民感謝デーで一日券とランチ券、温泉割引券が3300円。これはけっこうお安い。

混んでいたゴンドラを避けて、天気もいいので、高速ペアで山頂部へ。ファミリーゲレンデの頭にでるので、ほぼ山頂部。絶好の天気で、驚くほどに山々が美しい。
白馬には148号線で入るんだけれども、いつもぷうというお店の前からがすごい景観になる。あそこから白馬エリアに入り込んでいく感じ。岩岳は、大きな山々にしがみついている白馬エリアの多くのスキー場と違って、こんもりとした独立峰に開けたスキー場で360度の方向に滑り出せる。おかげで自然条件もゲレンデもさまざまで、視野も視界も変化があって楽しい。

山頂部はボードの人がとても多く、それを避けるようにビューゲレンデで少し遊ぶ。前の日の積雪が15センチくらいあったそうでパッキングもよく、雪の具合も悪くない。あんまりいろんなこと考えないで、気持ちのいい乗り方を考えて滑った。そういう日もいいだろう。ここは目をつぶっていてもコースが手に取るようにわかる。それほどに小さいころから滑り込んだ場所だ。

お昼は、混んでいるスカイアークを避け、ホワイトプラザへ。ここも馴染みの場所。昔は体育館むき出しだったのに、カーペットも敷かれて滑りにくくなっている。カツ丼をいただく。揚げたてでかりっと香ばしい。ここのラーメンライスをよく食べた。
小学生の大会があって、やる気むんむんの子どもであふれている。こういうなかから世界に出て行く奴がいるんだろう。そういうこともあって、ずらりと立てかけられた板はさながらカタログのようで、そういうのを履いてどうなるものでもないのにいいなあなどと垂涎の有様であった。
山頂にゴンドラで登り返して、岩岳沢などを滑る。振り子のような岩岳沢は昔は底がこぶだらけだったんだが、今はフラットで徐々に勾配を増していく落とし込みの具合も気持ちがいい。日陰コースのリフトは動いておらず、少々寂しい。
昔、メンバーズクラブの専用ゲレンデだったところはパークになっている様子。そういうのもいいね。第4ゲレンデのフラットバーンで一気に飛ばす。163センチの板なのだが、少し柔らかめの場所で思い切り踏み込むと実に調子がいい。ビンディングが板のしなりを邪魔しないのはこんなに気持ちの良いものだと、改めて感じる。
昭和56年にはほぼ1時間をかけて下った場所を5分くらいで滑り降りる。下にくると雪が軟弱になって彼女は辟易していたが、ボクはへっこう好きなんだ。板を持ち上げずに柔らかい部分に当て込むように滑ると、最近の板はちゃんと雪の固まりを薙いでくれる。リバウンドがある状態はスキーの中でもとても面白い部分だとおもっているだけ、リバウンドの少ない新雪が苦手だったのだ。それも、テレマークのおかげで克服しつつある。いろいろ楽しめるようになったものだ。
3時に終了。岩岳の湯に入り、帰途へ。
岩岳の湯で、風呂上がりに畳の上でストレッチしていると、同じくらいの時間帯に入ってきた女性がウエアの片付けをしている。見事な手際で、小さなカバンに全部を収め、涼しい顔でやはりストレッチを始めた。ゼロポイントのシャツに、モンベルのフリースパンツ。ボードの靴のまま、温泉に来ていた様子だったが、相当になれている感じ。きゃあきゃあいいながら騒いでいる青年たちとの対照が印象的。そういう時代になってきたようだ。
ちなみに、岩岳の湯は、近くの倉下の湯からタンクローリーで湯を運んでいる。それでも木製の浴槽は心地よく、白馬エリアでは比較的広い洗い場ものんびりした感触が味わえる。塩味の褐色のお湯である。
帰りは、緩いクルマに巻き込まれたので、何とリッター20キロメートル超。3リッター足らずで糸魚川まで出てしまったことになる。重いクルマなので、下りは燃費が稼げるんだが、これはまたすごいな。
彼女も上手になってきた。いい板と靴を買ってあげなくちゃ。そろそろ在庫処分も尽き始めているので、お店を覗いてみよう。こればかりは足入れしてみないと何とも言えないし。
実は、靴が激しく痛い。耐えきれずにスカイアークで靴を脱ぐ。どうしようと思って、土踏まずに畳んだティッシュを入れた。ボクの足は薄っぺらいので疲れと共にアーチ部が潰れてしまうのだろう。それを支えてみた。なかなか奏功した。ちょっと調整をかけてみよう。変な形の足なので、用具が良くなってもずっとこういうことに悩まされる。もうレース用の頑丈な靴は無理だろうなあ。
今朝は、相当に冷え込んでいて、晴れているのに安心してとばしていたのか、糸魚川でクルマの接触やスタックが3件。いずれも富山ナンバー。用心したいものだ。