氷見から和倉

もう1回氷見に行こうということで今日は直接氷見港へ。連休初日のせいか、それほど混んではいない。おいしい魚でも食べたいと、氷見魚市場にある漁師さんも使うという食堂に入った。わりに目立たない場所にあるので安心していたが、有名な場所らしく、食べ終わるとずらっと列ができていた。

食べたのは、かぼす汁とかいう地元の魚のお味噌汁。何だかわからない魚介類がたっぷりと入っていて、とにかく温まるし、出汁が良く出ていておいしい。刺身が付いていたが、何の刺身かわからない。朝獲れたものとだけ推察できる。そういうんで十分なんだよね。骨が上手に取れなくて、木の大きなお椀にがれきを残してしまった。
死にゆく妻との旅路」という映画の撮影された場所がこの氷見漁港で、せつなくつらい映像が思い出されて探してみた。
ここだここだ。
ゴミがたくさん捨てられている。こういうイメージとも連なっていくんだな。

ほぼ同じアングルで、森山大道

時間があったので、和倉まで足を伸ばすことにした。実は、和倉温泉って入ったことがないんだよね。
和倉といえば加賀屋さんらしいのだが、外湯があるらしいので、そこへ向かう。行ってみると新装オープンしたらしい。しかも、今日。よく調べるとさっきらしい。オープン後1時間も経っていない。

能登はあすなろの産地。それを十分に使った施設はすごくいい匂いがする。和倉のお湯は、源泉80度以上。海底から何本ものお湯が出ていて、湯量はたっぷり。源泉かけ流しの公衆浴場である。420円はなかなか珍しい。
お湯は塩辛い。食塩水みたいである。よく温まる。少し熱めなのだが、野沢温泉以来熱いお湯にも強くなったらしく、ちょうどいい感じだ。立ち湯という深い湯船があり、足に気持ちがいい。吹き出し口に金玉を当てて鍛えているおじさんもあった。
風呂上がりに何か飲もうかと思ったら、近所にカフェがあって、何でもスィーツの世界でかなり有名な人の店があるんだそうな。金沢21世紀美術館にも出店があって並んでいたな。スィーツはともかく、エスプレッソを入れるコンクールで優秀な評価をいただいている人がいれているとかパンフレットに書いてあったので、それがいいやと風呂道具をぶら下げて行ってみた。
案の定、列になっていて、風呂道具はやけに似つかわしくない。まあ、話の種なので並んで持つことにした。

店の仕組みがよくわからなかったが、併設された輪島塗りの作家の展示物などを眺めたりもしていた。向こう側に能登島が見える。静かな湾を眺めていると、東北の被災地はこういう光景だったのだろうと思う。

時間つぶしに外に出ると、すぐそこに加賀屋。ファンイダーごしに見たら、あ、これ湯屋なんだな、千と千尋の。ああ、なるほどね。ちゃんと橋もあるし。
順番がきてスイーツを頼む。クロワッサンがうまそうだったんで、クロワッサンを頼むが、期待していたコーヒーはエスプレッソがなく、ふつーのコーヒーだった。まあ、「ミスド」クラスかな。悪くはないけれど、待つほどじゃあなかった。
有名な店らしく、入ったときよりもたくさんのお客さんが待っていてスイーツの品切れが心配だった。
和倉からの帰りはナビに従っていくと、中能登町の鹿島から氷見の阿尾への山越えのルート。嫌いじゃないのでおもしろかったが、阿尾に出る少し前、谷間から海を越えた向こう側の立山連峰が見えた。遠近の関係なのだろう。まるですぐそこにあるように見える。不思議な感じがしたが、あの山々を特別と思える心情はそうやっても生まれてくるのだろう。
260キロメートルくらい走ったな。海の向こう側なのにけっこう遠いなあ。