白馬塩の道ウォーク

白馬の塩の道ウォークに参加。
ここ数年は連続して小谷のコースに参加していたものの、ちょっと出足が遅れて、4日の白馬に参加することにした。以前は、小谷村との境の落倉高原からグリーンスポーツの森までのルートで、途中から混じって歩いたことがあった。今回は、青木湖畔からグリーンスポーツの森に戻るということで、コースにも興味があり、何とかシャトルバスがなくなる時間までにかけつけた。
青木湖まで行くことはそれほど多くない。南からは手前だが、ボクら北から入るものにとっては白馬のメインを通過してしまうことにもなるせいか、過去に数度切りしか行ったことがない。そういうこともあってぼんやりと、のんびりと味わいながら歩けるのはとても新鮮な感じがする。
そうかそういや分水嶺を超えるわけだな。歩いて分水嶺を超えることもそうあるものではなく、それも一興。全体に風が強く、やや肌寒い。
今回のイベントの一つとして、白馬出身のノルディックコンバインドの渡部暁斗選手がノルディックウォークで参加していると聞いていた。すぐにそれっぽい人を見つけた。参加者のほぼ最後尾付近にいて、ほぼ行程の半分くらいを渡部選手と前後しながら歩くことになった。20人くらいと歩いているということだったが、女性の方とほとんど2人で歩いている。優しい笑顔をもった人なんだな。
そのうちに、いっしょにいらした方が少し足をひきずっておられることに気付いた。元々足が少し悪いのか、行程で痛めたのかはわからないが、渡部選手はずっとその女性を気遣うようにペースを合わせながら歩いていた様子。
このルートは、小谷の山道とは違い、起伏のないアスファルトの道を歩くことが多い。その点では少々寂しい感じもするが、カントリーウォークのつもりで、風土を楽しみながらゴールのグリーンスポーツの森にたどり着いたのが、正午頃。しばらくすると、花嫁行列まである、旅姿の一行が到着して、グリーンスポーツの森も一気に賑やかになった。
白馬そばの里プロジェクトなんていうテントがあって、そばガレットを出していたのでさっそく注文。ボクらで品切れで、まだまだ人出はこれからなのに、相当にインパクトがあったことが知れる。ちょっと焦げていたが、なかなかおいしいものだった。そういやジャンプ大会でも出ていたな。これに、ノンアルコールビールで調子の良い食事になる。
渡部選手も戻ってきた。インタビューを受けている。そうか、いっしょに板人たちは先に行っちゃったんだな。きっと渡部選手と競争できるような気持ちでエントリーされた方も多いんだろう。でも、渡部選手はいっしょにいらしたペースの遅い方と歩くことを選んだわけだ。いい人なんだな。たしかに、いっしょにいらした方はずいぶんうれしそうだった。その人の、一生に一度の一日になるだけで、それはそれで素晴らしいことに違いない。息子と同じ大学なので、ちょっと声をかけようかとも思ったが、実は「わたなべ」だと思い込んでいて、「わたべ」だと後から気付き、うっかり名前を呼び間違えなくて良かったとほっとしている。もっとも、彼は「わたなべ」と呼ばれても、笑って「はい」と言うだろう。また、次のシーズンが楽しみになってきたな。小林の引退で渡部はエースにならなくてはならない。人として立派な人がアスリートとして大成するかどうかはわからないが、ボクらはリザルトではなく、人として敬意を払える存在かどうかをアスリートに求めてもいる。その意味では、彼は間違いなくリスペクトされるべきアスリートであろう。また、サマージャンプに応援にこよう。
ニレ池によってみると、すごい賑わい。女性や子どもが歓声を上げて魚を釣り上げ、丸ごと食べていた。いいじゃないか。ボクはきっともっと難しい顔をして釣りをしているなあ。笑顔を弾かせながら釣りをする。忘れていたかもしれない。
白馬は、いつもボクに生き方を教えてくれる。