上市町

ふらっと出かけて上市町に入る。
そばの新しい店があるというので訪ねる。「八笑」という二八の店。細切りのそばが基本で、変わりそばもやっている。この日は、レモン切り。天ぷらがないという、珍しい店。その分、いろいろ凝っている。そばには個性が少ない。

上市町のぶらぶらするための地図があったので、それに合わせていろいろ訪ねてみることにする。
まずは、穴の谷。この日も大勢の人が水を汲みにやってきていた。パワースポットという、今どきの言い方は失礼な感じもするが、そのような場所。黒川良安の顕彰碑も久しぶりに目にした。

そこから、眼目山立山寺へ。がんもくさんりゅうせんじと読むのだが、地元では「さっかのてら」で通っている曹洞宗名刹。栂と杉の並木がかつては5キロメートルも続いていたという。今は、300メートルくらいだろうか。それでもなかなか立派なものだ。

そこから、大岩山へ。ここの石仏というか、磨崖仏はみごとで、思い起こすと数十年ぶりにやってきたのだが、いろいろ垢抜けて、昔ながらのものも、それなりに年輪を増しながらよい佇まいを見せている。木造三階建てのかつての旅館の風情は、ラフモノクロームでおさえてみると、よい感じに仕上がった。



なるほど、適当に観光地であり続けられる理由もわかる。
何とパワースポットの多い町か。それがすべて立山連峰やそれに連なる伝説に彩られているのは興味深い。くもり空に輪郭を表した劔岳には、大きな力を感じさせられる。
近くに不動の湯というのがあり、そこで体を休める。