ストレステスト

総理大臣のストレステストをめぐってずいぶんと喧しい。新聞の論調は、唐突なストレステスト付加の条件について総理大臣の配慮不足と、資質を問う論調。原発の安全性確保のためにはできる限りのことをしようという震災直後の空気がすでに夏季の計画停電をできる限り回避するという流れに切り替わっている。経済産業大臣の再開要請や政府が責任を取るという言い方こそ欺瞞に満ちたもので、設置自治体の首長の立場を担保する主権者を無視したものなのに、新聞の論調は総理退陣にまきをくべている。一体どんな裏があるのだろうと、事情がわからず、このところ新聞を熟読することが少なくなった。
一方で福島原発は、一日一日、何とか安定的な方向を模索しつつ状況を変化させているらしいが、そこのところの報道は薄い。今でも消防署がせっせと水をかけていると思っている人も少なくはない。
被災地の復旧復興のためには、かわりない生活を続けることが大切と言われ続けるうちに、今まで通りとすり替えてはいないか。
ボクが住んでいるのは北陸電力のエリアだが、すぐそばの新潟県に入ると東北電力エリア。スーパーマーケットでさえ節電対策や冷涼な衣料などが前面に押し出されている。この色合いの違いは何だろう。コンビニの照明は前と変わらないし、どこに行っても相変わらず涼しいくらいに冷房は動いている。
北陸新幹線金沢延伸に伴い、jr西日本が金沢以東の特急電車の運行を行わないと表明。富山県の人々は、東京に近くなっても、大阪、名古屋は乗り換えを余儀なくされ、地元の駅から特急一本でアクセスできたところが、面倒を強いられる。今になって気づいたわけはないだろうが、うろたえ始めている。
他人事というわけではないが、当事者として考え、表現するという力をどこかで失ったのかもしないと、そのことにうろたえている。どこかわからないところへ社会が変貌していくのはこういう季節なのか。