メダカ

メダカを買うことにした。
友達と話していたらけっこう簡単らしく、容易に増えるらしい。気をつけなくちゃいけないのは、在来のメダカといって、この土地以外のメダカが大量に持ち込まれ販売されているらしい。日本国内ならかまわないという発想はなかなか覆らない。その土地の在来のものには、その土地を生き抜いてきた命の記憶がある。そういうものを希釈してはいけない。そう思っているのだが。
もっとも、黒部川の排砂などは定例になって、もしかすると放流された魚で毎年の排砂を経験してたくましくなっている魚もいるのかも知れない。そういうのが生き延びて、元々の黒部川の頭の小さい、鰭の大きい、白っぽいイワナがいなくなるのかもしれない。ボク自身も10年、そういう在来と思しきイワナを釣っていない。もう、下流にはいないんだろう。
最近のイワナは甘いものなあ。あれは、食餌に影響されるわけで、ということは、そういうことなんだろうな。
メダカの方は、水草だけでも地元産をと思って、そこらの用水から抜いてきた。洗って泥を流してみると、ヒルは当然だけど、ナガレトビケラもずいぶんといた。こんなところにもいるんだなと感心。
でも、田舎の川は物理的に汚い。いろんなものが流れている。ひどいのは、魚の骨や貝、野菜の切れ端などの屑。以前、釣りをしていたらご近所の人がのぞいて、「最近は釣りの人が多くなって川もゴミが増えた」とつぶやいていった。たしかに、コンビニの袋はそうかもしれないが、白菜を河原で切り分けている人はそう多くはないはずだ。地元の人の仕業に違いない。
だけど、地元の人全部に押しつけるのもおかしい話で、実は数人がその気になればかなりごみだらけにできるのだそうだ。その数人は臆面もなく、真っ当なくらしと思って暮らしているのだろう。我が身が一番気付かない。
見えない恐怖よりは、見えるゴミの方がいいだろうと、ちょっと慰めてみることにした。