小遠見トレッキング
9月は忙しくて山にも行けなかった。
リハビリのようなもので、日程がようやく空いた体育の日、今回は晴れるだろうと小遠見まで歩くことにした。
五竜岳の遠見尾根の小さなピーク、小遠見は、テレキャビンを使って気軽に歩けるそこそこのトレッキングコースとして知られる。何より白馬連山の姿が強烈に展望できる眺望は、その容易なアプローチに比して圧倒的な迫力を持つそうだ。
そうだ、と歯切れが悪いのは、冬はけっこうその景観を楽しんでいるもののどうもグリーンシーズンはそれなりに面白い天候なのだが、眺望には恵まれていない。最初など、残雪と視界10mという激しい状況で、面白かったが、山のひとつも見たいという欲求は少し高まっていた。
今日なら大丈夫だろうと、テレキャビンを降りたのが、10時。少し雲がかかったが、最高と言っていい眺望。日差しも強く、紅葉はそろそろ盛りにかかっている。来週がいいそうだ。植物園も冬枯れに近いものの、それはそれで季節の風景を示している。
冬用の下着が災いしてなかなか暑い。逆に汗をかかない程度に速度を落とすいいセンサーになった。
途中、行ってみたいけれどどうしようかというカップルがいて、声をかけられた。大丈夫ですよ、今日は。天候も崩れないし、ちょっと水と食べ物があれば、ゆっくりゆっくりでも3時間あれば戻れます。女性は、ジャックウオルフスキンのフリースを着ていて、ちゃんとこの時期の天候を把握しているらしい。そうなんだ。真砂岳の大量遭難死はこの時期だった。ちょっと歯車がずれると、とんでもないことになる。気温は10度に満たない。日差しにだまされるのだ。
久しぶりなので、足がうまく動かない。手首の調子が悪くなかなか難儀。修繕した靴の方は大丈夫そうだが、老朽化でブロックが崩れ始めているので、昨日の雨でぬかるみなどなければと懸念していた。コースは実によく整備されて、登山届けの不要なエリアと公言するだけに、軽装備を想定した整備を心がけている様がよく見える。
スキー場のエリアも少しずつ整備されていて、花壇はしっかりしているし、流れにはヤマメが放してあった。子どもはああいうの喜ぶだろうなあ。駐車場の整備も進んでいて、この冬には間に合いそうだ。第2駐車場が空いているのに、第1駐車場の通路にびっしりと停められたクルマには閉口するが。トレッキングをしようという人でも、わずか200mも歩けないんだろうか。どこでも見かける光景だが。
紅葉に五竜が頭を出した。きれいだなあ。
8月の末に訪ねた唐松の尾根がよく見える。
五竜からの下りの人がたくさんやってくる。ゆっくり出てもこのくらいには下れるらしい。
小遠見まで約1時間半。けっこうな人出で、僕らに声をかけたカップルも到着している。実は、途中で抜かれたんだ。とてもうれしそうに、励ましてもらったおかげでこれましたと声を弾ませている。
いえ、こちらこそ。喜んでもらえてうれしく思います。山があなた方を誘ったんですよ。
場所を探して昼食。
今度は、五竜に行きたいねと、ルートを眺める。西五竜からきつそうだなあ。
下りはゆっくり。
アルプ360で東側の山を確認して、そばガレットとフリー。
風も穏やかで、いい時間がすぎる。
お風呂は、天神の湯。山を露天から眺めて、後味を楽しむ。