大品山
悩んだ挙句、大品山へ。
何を悩んだのか。クマである。怖いのだ。ここ数年で、3度出会い頭を体験している。気づかなければそれまでなのだが、気になると、どうにもいけない。ちょっとした物音さえ怖くなる。
すれで少しでも賑わいのある場所へと考えるが、紅葉はそろそろ1500くらいだろうし、そのあたりの高さは要るし。
行きたかったのは、白馬大池。蓮華から上がりたかったが、大池の小屋は閉まっているし、蓮華が小屋じまいの日なので、駐車場もどうだろうと、結局、そちらは来年の楽しみに。
それで選択肢は、白鳥山と大辻山と、大品山。一度も行ったことのない大品山が候補。瀬戸蔵山から龍神(たつかみ)の滝への下りを入れればなかなかおもしろそうと考えた。
ゴンドラ駅へ着くと、滝への遊歩道が使えないと表示。サイトには何も書いてなかったぞ。ひどい話だ。何のためのサイトなのだろう。でも、行き先を変えるのはあまり好きじゃないので、そのまま大品山へ。
ゴンドラでちょっとインチキできるのでもう少し賑わいがあるかと思っていたが、案外、人もなく。どこかのご夫妻きり。足跡からすると、鍬崎へ向かう人がいくらかあった模様。まだ少し早いのだろう。
クマの気配がむんむんする。尾根筋の登山道の両側に倒れたクマザサが随所に見える。いつのものだろう。ササはすぐに起きてくるので、それほど前のものとも思えない。
大品山は、鍬崎山の、いわば腰にある山で、尾根が取り付く場所に名前をつけているだけのような場所。それでも、山に入ったかんじはよく楽しめ、ブナと立山杉がすばらしい。
登山道も奥までよく整備されていてとても歩きやすい。ゆっくりと、秋深まる山歩き。
瀬戸蔵山からは立山が一望。室堂は天狗の裏になる。
ここまで40分。少し上がり下がりをしながら1400mほどの大品山に到達。山頂というほどには景観がなく、それでもとりあえず到達点でおむすびを食らう。立山と反対側には、有峰湖まで見える。数年前の有峰でのクマの遭遇を思い出し、ぞっとする。時間がちょうど頃合いに入ってきたのか、登山者が増えてくる。かわいい山ガールもカップルで登ってきた。こういう時代なんだな。悪いことじゃない。
下りの方が視界が開けて気持ちがいい。
ゆっくりと、お昼までの半日山歩き。
お天気がいいのでまだまだシーズンが長いように思っているが、もうすぐ雪だ。このコースはスノーシューによさそうだな。また、考えてみよう。