モンブランとスイートポテト

モンブランが流行っているそうで、いただきものや職場での振る舞いに出てくることも多くなっている。モンブランの甘ったるさが嫌いで、そんなに栗を食べたければ、焼き栗でいいだろうと叫んでいるが、実は、もうひとつ毛嫌いする理由がある。
モンブランがなぜ黄色なのだろう。モンブランは、白い山という意味だ。険しい山体と似てもいない丸っこいドーム型にたっぷりとマロンクリームがかかっているのは、おっぱい型の饅頭にフジヤマと名付けているようなものだ。どんな由来があるのだろうか。そして、人々はなぜこれに違和感を持たないのだろう。
焼豚という食べ物も、多くの場合、煮豚である。しかし、見た目に焼き目があるような感じが漂うがゆえに許容されているとも思える。しかし、モンブランはいけません。姿形も、立ち振る舞いも、似て妙なるものにさえ届いていない。
最近、スイートポテトというお菓子も変だ。サツマイモに砂糖をかけて焼いたような食べ物だが、そもそも甘いサツマイモに砂糖をかけるという下品さが気に入らないばかりでなく、名前がおかしい。スイートポテトはサツマイモのことだ。サトシのピカチュウ並みに違和感がある。だったら、冷奴と言わずに、豆腐というのか。せめて、冷やし豆腐くらいの知恵は使うだろう。大体、甘いものに砂糖をかけている段階でデリカシーを欠いているから、そこについては言及する必要もないのだが、サツマイモを食べて「あまーい、まるでスイートポテトみたーい」と叫ぶ人がいるので、気になるのだ。
あんた、それスイートポテトです。ジャガイモがサツマイモ並みに甘くなるなら驚いてもいいけれど、そんなジャガイモ食べたくない。