新川牧場クロカン

天気もあまり良くなさそうだし、雪は高温傾向で快適という感じじゃないだろうと、新川牧場恵方巻きを食べることにした。クロカンは、彼女もお好みだ。コンプレッションタイツのせいか膝の調子が例年になくよく、クロカンは元々苦にならないが翌日にも持ち越さない。ありがたい道具だ。
現場にはいると、山沿いは少し雲がかかって、時々、雨も落ちる。道路にはぎっしりとクルマがあって、どうやらモビルの人々。このところ増えてきた。轍が凍るとスキーが取られるが、こういう日は大丈夫だろう。
それにしても、雪が少ない。黒部川扇状地にはほとんど雪がなく、栗寺の台地も雪が割れてきている。3月上旬、いや、卒業式の少し前の感覚。全く、どんな年なんだろう。雪の野遊びがすっかり萎えてしまっている。
先行するナチュラリストのみなさんに追いつくと、先にスキーの団体。プラブーツなどのかなり重装備のテレマーク。向こうがこっちのライトな道具に驚いておられた。ツーリングクロカンは考えようによっては最強の野遊び道具です。
山伏平まで行って食事にしようとする。モビルの人たちがきて、山伏ゲレンデを疾駆。うーん、山路でトレイルバイクが後ろからきた感じだな。でも、すぐに、スキーの人がいるからと向こうに行ってくださった。ここか、下った先がまたスロープでのしあがっているので、モビルにはちょうどおもしろい場所なのだ。巨大なハーフパイプみたいで。それでも、譲ってくれた。みんなでいろいろ分かち合って遊べばいい。
テレマークの人たちは、全く始めての女性を交えたツアー。黒部に引っ越してきて、こんないいところがあるんだとうれしくなったという。いいですね。T2とノルディカ。で、ケーブル。初めてでもこういうのを使える時代なんだな。
ここの斜面はテレマークの練習にちょうどよく、よろよろとながら滑っていかれた。
僕らはそこで、お弁当の恵方巻き。方位を確認して、ゆっくりといただく。食べ終わってから彼女にテレマークレッスン。クロカンなのでなかなか難しい。斜面を登り返すところで、板が外れた。よく見るとビスが抜けている。錆が入っていてちゃんと締めていなかったかなと後悔。こういう時に、ビスを回せるものを持っていない。そこで、彼女に僕の板を渡し、僕はツボ足で戻ることにする。彼女も200cmの板でなかなかどきどき。でも、その滑走感には喜んでいた。長いクロカンは気持ちいいのです。
185cmのクロカンがあったはずなので、最初に使っていたtuaの板のビンディングを外して付け替えればいいかなと考えながら、時折ずぼりと沈む足を持ち上げていた。
道路に出ると、モビルの人たちがバーベキュー。いろいろ、豪快だな。新川牧場にもそり遊びの人がたくさんきている。海岸付近が晴れてきたので、直にこっちもいい日になるだろう。
宇奈月温泉で温泉パスポートを買って、延対寺荘のお風呂に入る。廊下に並べられた文人墨客の文字にそそられる。与謝野晶子の繊細だけど、どこかせっかちな筆づかいにさもありなんと得心。川端康成の重厚な文字の手紙は、どうやって返事をすればよいのだろうと思わせた。
案外、恵方のご利益は滑走中の破損じゃなかったところに出たのかなと、そう思ったのは、自宅に戻ってからだ。