妙高池の平

激しい斜面をがんがん下りるのもおもしろいし、誰もいない山深いところを歩いたり滑るのも楽しい。裾野の広い斜面をのんびりと果敢に滑走するのもスキーの味わいのひとつだ。
今日は、バレンタインクーポンが手に入ったので、妙高池の平で遊ぶことにした。
上越地方は激しい雪で、上信越道上越高田と中郷の間で事故があって通行止め。一般道に下りると、ナビがなければ路頭に迷うほどの雪。道の端どころが、一体どこをどこに向かって走っているのかわからない。ラジオが通行止め解除を知らせて、すぐ横が新井PAだったこともあってすぐに上信越道へ。これが先行車両がなく、道一つ判別できないほどの激しさ。100m前が見えているのかなと思える。時速40キロがやっと。それでも、愛車はしっかりと妙高ICに辿り着き、ほぼ予定通りにスキー場へと思いきや、途中の坂道でどうやらスタックしているのがいるらしく、車の列が動かない。無理やりにUターンして、新赤倉側から入り込むと、みんな到達できないのか、アルペンブリックの前に駐車。昨晩から1mばかり積もったらしい。
ゲレンデは、ピステンが完全にリセットされて、さらにシュプールだらけ。スキーヤーは全体の5パーセントでくらいなので、多くはボードのシュプール。縦に切れ込んでいるので、全体にウェーブがかかったようになっている。そのうえ、バンピー。エッジに食い込む雪質と合わせて滑りにくい。ワックスを塗ると板が走って快適だが、この手の雪はワックスを食う。すぐに、アドバンテージを失う。ノットワックスを家に忘れたのがいけない。固形のフッ素タイプもいいが、1本で効果がなくなる。
少し慣れてくるといい感じで走り出した。彼女がずいぶんとうまくなった。ストックを使わないくせを少し修正したら上半身が定まり出して下半身とのバランスがよくなって雪面をつかまえやすくなった。今日なんかは僕さえいつ吹っ飛ぶかと思うようなゲレンデコンディションなのに、しっかりと滑っている。
日本のアルペンスキーは、アールベルク滑走術を伝えたハンネス・シュナイダーに始まる。池の平は、シュナイダーが滑走したスキーエリアで、その伝統を今に残すガッシュタイナーという名前のコースがある。適度な斜面は、ほんとうにスキーのおもしろさを感じさせるコースで、僕のお気に入りの場所だ。どういうわけか、ボードの人もあまり滑らないので、なかなか快適に空いている
空いているのはいいが、おっさんスキーヤーが真ん中に堂々と立ち尽くすことも多い。確かに人もいないし、迷惑は少なかろうが、仲間に教えているようなスタイルで滑っているのならなおのこと、人がいようがいまいが、節度は守って欲しい。何時怒鳴ろうと思ったことか。食堂でも、お風呂でも、駐車場でも、ゲレンデでもおじさんたちのマナーが一番ひどい。僕もおっさんなので、率先垂範であろうと心がけたい。
降りしきる雪に強くちょっとめげて食堂にはいると、40歳以上は数名、スキーヤーも数名という状態。おねーちゃんと、おにーちゃんが同数。みんな楽しそうにやっている。おかげで、食事も塩分脂質が多く、嫌いじゃないのでいいが、スキー場がそういう場所になっていることを嬉しく感じる。
今日のバンピーなゲレンデと重い雪は予想外にくたびれる。午後3時をすぎて終了とした。
お風呂はアルペンブリック。妙高山の南地獄谷を源泉とする単純硫黄泉。やさしいお湯なのだが、ここのお風呂は2箇所あって、地下の大浴場はろ過されているんだけど、3階の露天風呂は濾過なしでお湯が注がれている。実は、黒いのだ。浸かってしまうと混浴でも大丈夫だと思えるほど。湯質は明らかに違う。きっと、硫化物なんだろうと思うが、近くのランドマーク温泉では、わざとその泥を混ぜているという。そこまでしなくてもと思うけれど。500円でこの湯質は癖になる。2箇所とも入ったが、今度は露天でゆっくりしよう。今回は、どっかの若者が湯口にどっしりと陣取ったままで離れようとしなくて、お湯も味わえなかった。湯口を開けるのは礼儀だろうと思った。おっさんとか、おにいちゃんの問題ではないのだな。
帰途は高速が使えなければ、一般道でタチバナに寄ろうと思ったが、普通に走れそうで上がってみると渋滞。のろのろと、それでも前の車について行けばいいやと新井ハイウェイオアシスへ。ミサでなんか食べることにする。
PAからハイウェイオアシスに入ると除雪中。適当に車を止めて歩くが、久しぶりにあんな雪の中を歩いたな。昨日のスノーシューより激しい。ふんわりたっぷりとした雪の中をかき分けて食堂ミサでカツ丼。味が濃くて僕好みの卵仕立て。堪能。でも、ここのコメは粒が小さいな。この間白馬でもそう思ったのです、うちの方が大きいのかもしれない。
高速に戻るともう車列もなく、すんなりと北陸道へ。わずか十数キロメートルでこんなに気候が違うかと思えるほどの別世界。
いろいろ楽しんだ。
池の平はゲリラクーポンというのがあって、来週も北陸割引チケットが使える。最も、この連休以後はどこのスキー場もいろいろな割引が始まる。確か、岩岳の割引も来週からだ。
今日は、雪まみれ。おもしろかった。