栂池

荒れ模様が予想された週末、どこにしようかと思っていたら、栂池の北陸エリア割引が目に留まる。リフト+食事+温泉100円引きで3900円。それにしようと、栂池へ。
148号線を南下すると次第に天候が良くなってきた。案外、風もない。スキー場は今日が花火などのイベントの日なので少々混んでいることも予想したけれど、第3駐車場にはまだ空きがある。その代わり、リフト券売り場が行列。ここが今日最大の列でした。
からまつから雪の広場側に出て、すぐに白樺を一本。雪は軽くはない。それでも固まって凍るほどではなく、そこそこというところ。自分のワックス選択が失敗しているので、もう少し考えればよかった。万能ワックスでよく滑る雪ではない。
丸山クワッドを何本も滑って、ちょっとだけ練習。彼女にローテーションを教える。僕もいっしょになって練習するとなかなかリバウンドを強く感じるので板を走らせられるようにもなっているらしい。新雪に入ってもすぐに浮かび上がるほどの雪だけど、今日は、こういうパッキングバーンの荒れた日にしておこう。
エデンで野豚カレー。黒部名水ポークの旨さとは質が違う。黒部名水ポークの旨さは脂にある。小谷名産野豚の場合は、引き締まった肉にある。噛むほどに味わいが深い。カレーがもうちょっと汁っぽく仕上がるともっといいのにと悔しい。ビーフカレーならこれでもと思うが。もう少し工夫してください。せっかくなので。
午後は一番に栂の森に上がる。ハンノキから激しい霧。栂の森も何にも見えないかと思いきや、空抜けしている。白馬乗鞍まですさまじい青と白のコントラストで冴えている。ところどころの斜面にドロップしたよいシュプールが見える。さすがに少し風があって、岩岳の方にもくもくと立ち上がった黒い雲があり、それが時々栂のもりを覆う。滑り出しの瞬間その雲の中に。全く前が見えない。うまくタイミングが合うとオールクリアでえもいわれぬ栂の森ならではの景観を滑れる。しかし、どうも、雪の感じと周りのリズムがうまく合わない。かなりの初心者も混じっていて、よい斜面変化のポイントに人が立ってしまっているのだ。避けるようなシュプールは苦手で、4、5本で、下山。
ハンノキの渋滞は大変だった。ハンノキの急斜面にはたくさんのスノーボーダーがいて、上手な人はいいんだけど、あまり上手でない人が横向きになったまま下っている。デラパージュしているような感じだ。それが技量で仕方ないし、それだけなら全く邪魔にならないのに、集団で、しかも横並びでそれをやられるとほぼゲレンデ封鎖に近い。途中、行き場を失って止まり、横をみると、本当に驚いた。20人くらいがこの斜面に一定間隔に広がって横滑り。コースの特性で仕方のないことだが、いっしょにきた人たちが塊になって滑るボーダーの遊び方の特質を考えても、さて、どうすることもできまい。
また、丸山を数本滑って調子を合わせ、そこからチャンピオンに移動。彼女には初めてだ。そのくらいには滑れるようになってきた。
チャンピオンでは、団体のデモンストレーションの練習をしていた。8人くらいの人がいっしょに集団滑走する。スキーのシンクロのようなものだ。僕はシンクロのような競技は何が面白いか全然わからないのだが、ふだん見たこともないスキーのスタイルには驚いた。また、一人一人が実に上手なのだ。
コースはコブがあるというほどではないものの凹凸があって、僕らの安っぽい板では踏みつけながら大回りは難しい。最初は様子見でずらしながら小回り。2回目には、縦に切るようにしてやりすごした。後半の緩斜面では、するどく切れ込んだカービングの溝がやっかいだが、ぐいーんと板がしなる感触を十分に味わう。そのうち、
デモンストレーションのコースが空いたので、さっそくパッキングされたバーンを滑る。
パッキングされていたと思うのは、スキーヤーの安定感からくる勘違いでけっこうバンピーで傾斜もあって、すぐに板も靴も悲鳴をあげる。激しいことになる前に一回止まる。それでも、ここまで深いターンをしたのは初めてかもしれない。それに驚いたというのが本当のところだ。
鐘のなる丘に移動。抽選会の番号を確かめるが、外れ。オガサカの板が欲しかったのに。
午後4時30分まで丸山で滑る。ここは、この季節午後4時50分まで。最下部のリフトは、午後5時。日が長くなった。白樺にはライトが入って、今日は花火を見ながらナイターも可能。月も出てきて、青黒い山も浮かび上がっている。今日は、いい夜になりそうだ。
温泉は、岩岳の湯。激しい混雑。ピークに入ってしまったようだ。その分、長く浸かった。スキー場もそうだったが、若い人が本当に増えた。スキー復権は本当かもしれない。女の子の積極性に導かれているような気がしている。また、長時間列を作るようなスキーがごめんだが、そうなる頃には、オフやサイドの遊びを彼女が覚えてくれそうな気もして、楽しみは広がるばかり。
そばは、そば神。ここの天ぷらそばには驚いた。野菜が張り出すように揚げられている。僕はおろしにしたが、冷たいそばよりも温かいそばの方がそばの特徴が現れるという感じ。粉のせいだろうか。
遠見のナイター、名木山のナイターなどを横目に、白馬を後にする。スキーたっぷり、温泉ゆっくり、そば堪能で、帰りは不覚にも途中で彼女には運転を代わってもらい、自宅でもそのままダウン。