特急白山

鉄道フェアというのが近所で開催されて遊びに行った。
小さい頃から駅や鉄道のそばで育ったことや、父が国鉄マンだったこともあって、くわしいわけではないが、鉄道や電車には興味がある。とはいえ、車両の編成番号を知っていたり、電車のデザインなどに詳しいわけではない。自分が知っている、体験しているなかで、心を寄せるものがあるだけだ。時々、電車の写真を撮るけれども、それも記録のようなもので、いわゆる鉄道写真というわけではない。
子どもの頃、HOゲージが欲しかった。だめなら、Nゲージでと思ったが、大人になってお金を稼ぐようになっても、結局、買わなかった。どうやら乗れるものを自室に再現しようとは思わなかったらしい。それでも、巧みにレイアウトされた模型を見るのは楽しい。スケール通りに走らない新幹線や蒸気機関車には違和感がぬぐえないが、今日は、懐かしい車両に出会った。

特急白山だ。上野と金沢の間に運行された特急で、僕は急行だった時代から乗った。特急になってから最初に乗ったのは、小学校6年生の3月で、卒業式の翌日に乗り、中学の入学式の前日にこれで帰ってきた。
今でも北越の車両に使われていて、時々乗り合わせるとずいぶんと懐かしく感じる。旧国鉄色というらしい。編成も12両で作られていた。そうやって6時間かけて上野に行く旅は、途中、横川で釜めしを仕込みながら、ほぼ一日がかりであったし、切符を取るために東京で手配してもらって郵送してもらうこともあったし、手荷物は駅どめでチッキにしてもらったりもした。
特急白山は、運行時間の関係もあって妙高へのスキーにも使った。特急でスキーに行くのは、いくぶん豪勢な感じがしたし、妙高の国際色もそう感じさせたのだろう。
懐かしい。
きっとこの編成を作った人もそう思っているに違いない。