長ける

小学校で習った漢字としてクイズに難読漢字が出てくる。すっかりおなじみになった光景だが、これを見て、小学生の親はどう思うのだろう。「長ける」は3年生だそうだ。うちの子は4年生だが読めない。困ったものだ。学校は何をやっている。ゆとりとやらはこういうことにしているのかと、自分が読めないことも遠ざけたままで、そんなことを考えるかもしれない。
小学校で習うというのは全く嘘である。長という漢字は習うが、「たける」という読み方までいっしょに習うわけではない。
常用漢字には漢字だけでなく、音訓の規定もあって、そこに含まれなければその読み方として使わない。
例えば、「台詞」という語では、「台」も「詞」も常用漢字だが、「せりふ」という読み方は音訓表外となる。小学校でも習わないので使わない。そういうことなのだ。
社会科の教科書に出てくるというのも、ある会社の教科書に出ているだけで、必須の学習内容でないものも多い。こういうのが平気でクイズ番組の表現として用いられていることを一体どこのだれがチェックすればいいのかはわからないが、テレビのいい加減さを象徴している。どうして誰も何にも言わないのだろう。