そんな仕事大丈夫かな

イラストのオファー。
イラストの仕事もいくつかしたけれど、それはあくまで自前の仕事で、誰かのために書いたことは滅多にない。
とりあえず、できると思って声がかかったので、やってみようと思う。自分の中の可能性が広がるのは、たぶん、それほど気持ち悪いことではない。
先日、絵を勉強されたことがあるんですか?と聞かれたが、いや、まったくの落書きです。と答えた。
それは本当で、小中学校の図画工作・美術の成績は散々なもの。唯一、高校の美術の先生がいろいろ褒めてくださって、僕が絵を書くことへの絶望から救ってくださった、と思っている。大学で、山紾覚太郎の弟子に当たる先生がやっぱり褒めてくださって、それは誰にでもそうなのだが妙に嬉しかったことを記憶している。中華鍋の絵だったが、「自炊しているのか」と聞かれ、そうですと応えると、「身近なものにはいい味がでるなあ」と話された。別の先生にも図工の研究をする授業で、色遣いを褒めてもらったことがある。人生できっと数回なんだが、それが今のモチベーションにつながると思うと感慨深い。
そんなことを同僚と話したら、「小中学校とそんなことで、よく高校で美術なんか取ろうとしましたね」と聞かれる。ホントだ。おかしい。選択は、書道と音楽で、書は全くダメで、音楽も演奏など不可能。ちょっとした楽譜も全く読めない。消去法だったが、自分の中で比較的できるのが、美術だったし、描けば、作れば何とかなると思っていたところをみると、評価とは裏腹にそれほど苦手な気持ちはなかったのだろう。
今や、無手勝流で筆を取り、音楽祭のスタッフをしていると考えると、全く人生とは奇妙でおもしろい。