馬場で迷い、池袋で迷う

仕事で東京。ASDの研修会である。
朝の電車は三連休の初日とあって新幹線の指定が取れず、じゃあと長岡まわりを選択。長岡でとっとと乗り換えるとすぐに飛び乗れて、はくたかよりも20分も早い電車に乗れた。なかなか順調。高田馬場なので、大宮で埼京線に乗って池袋乗り換えで高田馬場。ちょうどお昼前くらいで、じゃあとタリーズでサンドイッチを食べる。もうすぐ切れてしまうiPadの2年無料のWi-Fiでちょっと調べごとをして、すぐだろうと歩き始めた。
10分歩いてもそれらしいところが見えない。神田川を渡るはずが、いやあ、なかなかないな。バス停を見ると、どうも感覚がおかしい。まず、早稲田通りを歩いているつもりがないのに、早稲田通り。早稲田大学は背後という位置関係。太陽の位置もおかしい。南中高度にあるはずなのに。それで、正常に戻すべく、道路を渡り、丘を登る。
すると、あ、手塚プロだ!こんなところにあるんだ。それで、高田馬場はアトムなのか。この角を曲がったのも偶然。世の中こんなものだ。写真を数枚撮影して、また、歩き始める。
広い通りに出ると鉄道が見える。さて、あれはどっちに向かうのか。とりあえず近づいてみる。ストックをもって歩いているおじさんに道を聞くと、
「そりゃ、あんた反対だ」
と驚かれる。タリーズでた時にすでに間違っているわけだ。都会にくると方向感と距離感を喪失する。山では迷わないのにな。それで高田馬場に戻る。あ、そうか、このロータリーから出るのか。別のマクドと勘違いしたんだな。駅前にマクドが2軒あるとは田舎者にはわからない。
それで歩き始めると、すぐ神田川。で、目的地はわずか5分の場所。それでもアトムが導いた道のりは面白かった。
研修の1日目を終えて、池袋へ。西口を出るとすぐだと思っていたのに宿が見つからない。10分ほど歩いても、ない。地図を見てもよくわからない。歓楽街を彷徨すること30分。結局、池袋駅に戻る。それで気づいた。幹線道路を読み間違えている。都会では、古い道でも幹線道路で地図表記は大きいものの実際には細い路地のようなところも少なくない。駅前の広がりを勘違いしていた。これも駅から5分。出勤時のきれいなお姉さんたちにどきどきしながらチェックイン。
彷徨の途上で見つけた豚骨ラーメン屋に入って、プレモルをグラスでぐいーっとやってからラーメンライス。そのまま宿に戻り寝入った。嬌声すら届かぬ場所で、見慣れぬ地上波のテレビにも心動かず台風の接近を心配していた。
以前はこうやって道に迷うことはなかったんだけど、年齢だろうなあ。嗅覚というのか、勘が鈍くなっている。台風で混乱した時には、思いやられるなとも感じる。
朝は神田川がジェットコースターのように流れている。研修も台風対応で少し早く終わり、すぐに北に向かう。うまく快速を拾って、新幹線ホームにはいると、ときがいた。扉から入り込んで、そのまま自由席へ。いい流れ。
ところが、越後湯沢ではくたかに乗り換えると、近くの駅に止まらないことが判明。長岡まで行って北越に乗った方が早いが、1時間待ち。長岡で弁当を買って、駅ビルでぶらぶら過ごして待合室で新潟限定のビールを飲む。サッポロビール醸造は新潟の人が始めたらしくそれを顕彰するスペシャルビール。越後杜氏がそういうところにも歴史を作っていたか。
ほどよく酔って、電車で眠りこける。富山からきた女子高生がトークを炸裂する中、1時間は眠るまいとたかをくくったが、起きたのは、たぶん、両越国境近く。ぼんやりとする頭でなんとか忘れ物なく降りると、また、雨が降り出した。
東京に行ったのに、時間をついで動いたので、職場への土産は、笹団子味のカントリーマウム。うまいんかな、こんなの。
研修はこの人からのお話。いろいろはっきりしていなかったことを整理できた。それも一説には違いなかろうが。

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