ゴルフ場でクロカン

いろいろ配慮をいただいてゴルフ場でクロカンをさせてもらった。台地の上に広がるそのゴルフ場は、起伏が激しく、いくつかの棚のような場所をつないで18ホールを構成している。それは、とりもなおさず、クロカンの適地とも言えるわけで、昨年、スノーシューをさせてもらったが、クロカン向きではないかなと思っていた。
実は、ゴルフをしたことがなく、このゴルフ場も夏場がどうなっているかもわからない。カモシカの保護に一度はいったことがあるばかりだ。
事務所で話をしてから、コースに入る。ここへ来るまでもたいへんで、除雪がなく、僕のアウトランダーでようやく登れるというところ。ここに人はさんろくにクルマを置いて専用のクルマで上り下りしているらしい。日差しがでてきて、案外、いい日になりそう。ワックスが合わなくなるなと心配。単独なので、まあ、そこはじぶんが被ればいいこと。
予想通りに気持ちのいい斜面の連続。下がってはゆっくり登って、また、すーっと下る。行けそうなところをとにかく歩く。どうやら、カート道を行けばそのまま18H回れそうにも思えるが、痕跡がわからない。動物たちの足跡がたくさんあって、連中はたいてい足場のよいところを選んで歩く。山道でもよくそういうことがあって、足跡をねらって追いかけると調子のよいところを進める。それで、時々にショートカットして滑走するわけだ。
暑くなってきた頃に、休憩所に到着。適当な場所にちゃんと建っているんだな。コンビニで買ってきたおむすびとパンを食べる。静かで、今日は、風の音もしない。
このところ、どうしてか、変なことを気に病んでいてどうにも気分が優れなかった。こういう遊びをストレス解消とか、癒しにするのは嫌いなんだが、結果的に、日差しに照らされ、柔らかいかぜに撫でられ、染み込んでいく水に心が落ち着いていく。
見たこともないふうけいが時折広がる。来たことがないのだからそれは当たり前なのだが、見慣れたはずの地元の山が全く別の表情で広がっていく。そのたびに、誰もいないのをいいことに、おうとか、ああとか叫ぶ。写真も何枚か撮った。
何の音だろうと思うと、板が雪を喰む音だったり、自分のつぶやきだったり。板はワックスがすっかり合わなくて、滑りが悪い。進みの悪さも受け止めてゆっくりと歩く。
カントリークラブとはよく表現したものだ。このゆったりした感覚に魅せられるのか。視界が広がるというあたりは、ゴルフ場のメリットだな。

凍りついた池の上に足跡が続く。それを見て、今が1月だと思い出した。やさしい遊びになった。