デビルマンレディ

デビルマンというのがあって、多感な頃、人間の中にある魔性が形をとったもののような記がして怖かった。
コミックの方はテーマ性が深く、「仮面ライダー」や「新造人間キャシャーン」、「キカイダー」のように、また、当時のスポ根ヒーローのように実存に向き合いきれず悩んでいる姿が興味深かった。
ブンガク的なキャラクターはいいものだ。
で、永井豪はこういうキャラクターがお得意なんだけど、デビルマンレディを見るとさらにそれが一歩進んでいて、ごく普通の人が「ビースト化」してしまう様が描かれている。
これまでは、ちょうど「ゾンビハンター」(平井和正)や「寄生獣」のように、何かに寄生されたり、変質することで、自己喪失感や、自分の境界を曖昧にしてしまう猜疑にとらわれる例が多かった。
CATVでたまたま見たのでくわしくは知らないが、どんな人にもどうやら「人でない」ものに変質してしまう因子があって、それが何かの反応で発動してしまうものらしい。
人間を超えた力を持ちたいと願いながら、人間に留まりたいと考えたとき、人間とは何か、そういう問いかけが生まれてくる。