まちおこしの齟齬

図書館でまちおこしの本が並ぶ棚で足を止めた。衰退する町の様子を反映してさまざまな本が並ぶ。成功したとする町の声高らかな書きぶりがどこか違和感をもたらす。それは、基本的な問いとして、何が町の繁栄なのかがアプリオリにあって、全く吟味されていな…

価値評価の軸

どう考えてもわからない、全く理解できない、などの言い方が乱暴に交わされて対立点による是非ばかりが際立つ幼稚な議論が覆っている様子はどうにも気持ち悪くて仕方がない。もしかすると、白黒付けていくディベートなんかが随分流行った影響があるのではな…

議論ベタになった

新聞の質の低下がまるでジャーナリズムの後退のように言われているけれども、その実は、議論ベタという背景に支えられた表現ではないかと考えている。 どう考えてもおかしい。そんなわけはない。なぜそう考えられるのか。そうしたフレーズが飛び交う。議論を…

道徳教科化の対立軸

道徳を教科にしようということについての議論がある。 そのことで社会秩序を維持していこうとするという考え方と、一方で、価値の押し付けだとする立場があって、それが対立しているように思われているが、その議論の構造そのものが間違っている。 道徳を教…

もうすぐ開通

新幹線の開通が近づいて、富山の売り物がずいぶん露出している。 ブリしゃぶ。 食べたことは数度。たぶん、なかった料理。脂ののりがいいブリをわざわざ熱い出汁で脂抜きする理由が不明。そのまま食べるか、新しいフクラギを食べてみろよと繰り返し、述べた…

ひもじい思い

富山駅の周辺で寝起きしていた方がおとといの朝、冷たくなっているのを発見された。地下道にうずくまるようにして、時々地上でカップラーメンをすすっている姿を見かけていた。足が悪いらしく膝を伸ばしたままで、時々、毛布をかけてどこに目を合わせるわけ…

コンセプトをもつということ

新聞のよいところは自分が興味をもって探しに行かなくても向こうから勝手に情報がやってくるということかもしれない。 昨日の朝日新聞の増刷にスノーピークの山井さんが出ていた。独自の製品で、ゆっくりとアウトドアのブランドを築いた人だ。燕三条という日…

寄藤文平さんの本

デザインの本やらイラストの本など自分には無縁とおもっていたのだが、実は、文字も絵も表現という枠組みの中で扱わないわけにはいかないとも思えて、時々立ち読みする。 数年前からイラストを描く仕事も入ってきて、商売がかっていないことが売りなので作為…

日本一周3016湯

買い物のついでに紀伊国屋に寄る。経済的な事情もあって本屋な危険なのであまり立ち寄らないことにしているのだが、とりわけ、紀伊国屋のような本屋は剣呑極まりない。際限なく欲しい本が現れて、諦めるということしか残らない。日本一周3016湯 (幻冬舎新書)…

焼山温泉

糸魚川市には多くの温泉があり、それぞれの泉質が異なることが知られている。そのうえ、なかなか個性があってそれだけを回っても十分に楽しめる。 傍に噴煙がある蓮華温泉の野天。豊富な湧出量を惜しげも無く掛け流しにするところがあるかと思えば、塩分や油…

わからないことがいくつもある

北陸新幹線金沢延伸開業まで半年になって、開業プレイベントがあちこちで始まっているにも関わらず、まだ、よくわからないことがいくつかある。観光はともかく、経済や流通もふくめた生活がどうなるのかが見えてこない。 列挙してみた。 新幹線のダイヤがど…

Jを見よ!

W杯の情けない代表の戦いの一方で、スタンドを清掃するサポーターの姿が映し出され、さすが日本と賞賛しきりである。酷い話だ。そんなことが話題になることが、たまらなく悔しい。ゲームが中心だろうと、そういうことではない。Jでは当たり前に行ってきたこ…

観光客向けなんてまっぴら

新潟県糸魚川市はジオパークの呼び名を最初に使い始め世界概念にまで高めた街である。その意味では、オリジナルというこだわり方があるのかなとも思えるが状況は少し違う。 北陸新幹線が金沢まで延伸される来年春に向けてえんせんではさまざまな反応があり、…

若者とコンビニ

国民年金の納付がコンビニでもできるというアピールのため、コンビニ各社といっしょに大臣が広報活動を行っていた。そこで、小泉という政治家が、若者はコンビニに行かない日がないという発言をして、ことさら若い世代とコンビニを結びつけようとしている。…

姫川温泉瘡の湯

国道沿いにも幟が増えて、看板も整備された様子でどうやら営業も軌道に乗りつつあるらしいと、それでも連休とはいえ空いているだろうと考えたのは間違い。たくさんのクルマがならんで、そこそこ活況を呈している。新しい施設好きの富山ナンバーも何台かあっ…

柵口温泉山城屋

体調不良から脱しつつあって、どこか温泉でゆっくりしたいと、少し鄙びた感じの温泉を考えた。できれば、みすぼらしくていいので畳の部屋を借りて、一風呂浴びてからゆっくりとお茶でも飲んで、それからもう一風呂楽しみたい。こういう愉しみはなかなかでき…

みみずくの湯

白馬にないものは温泉と呼ばれた頃が不思議なくらいにそこらに個性的なお湯がある白馬エリア。特に、小日向から引かれた八方温泉はPH11というアルカリ性の温泉でさっぱりとした肌あたりが好まれている。高温で湯量が多いため、どこもかけ流しであることも人…

宇奈月温泉 延対寺荘

宇奈月温泉で「あいらぶ湯パスポート」を使って、延対寺荘のお風呂に入る。宇奈月温泉きっての老舗旅館だが、現在は、リゾート開発会社の傘下にあるらしい。パスポートを使うといくつかのホテルや旅館のお風呂に500円で入れる。ふだんは宿泊やそこそこの値段…

スケート選手のエネルギー消費というわけではない

あるスケート選手がテレビに登場する場面で40万キロワットの電力が増加したって話。火力発電所1基分ということだが、火力はすぐに需要に対応できないので大きな水力発電所分くらいかな。黒部川水系の総発電力が100万キロワットなので、そういう目安。 だから…

デレク・ベイリーの評伝

朝日新聞の書評欄で早稲田大学の佐々木敦が取り上げている。デレク・ベイリー…インプロヴィゼーションの物語作者: ベン・ワトソン,木幡和枝出版社/メーカー: 工作舎発売日: 2014/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る名前を聞くのも久し…

是枝裕和のインタビュー記事

この時間になってようやく朝刊を開く。同世代の是枝裕和のインタビューがおもしろい。時として自分の中に沸き起こる違和感のいくつかをわかりやすく人に伝えられるような言い方をしている。 このところの僕は、違和感、不快感のような喜怒哀楽とは少し違う表…

姫川温泉・瘡の湯

2月とは信じられないほどの小雪と暖気。厳しい寒さは冬の入りがけだけで、すっかり暖かい冬になってしまっている。 スキーに行くと話したら、「山に雪あるんですか?」と聞かれることがある。あなたが見上げている山々が白く輝いているのは一体なんだろうと…

神代温泉・氷見市

冷たい雨が降り出した冬の初め。どこかよく温まるお湯に浸かりたくて、氷見まで出かけた。 氷見はいい温泉がずいぶんある。以前はそうではなかったのだが、岩井戸温泉が出て、以来、けっこう方々で湧き上がったのである。今やおいしい魚を食べさせ、そのうえ…

はてなのアプリ

iOS用のはてなアプリ入れたが、そうか、はてなダイヤリーには対応していない。すぐに、捨てた。

小川温泉元湯

雪が少ない冬で、どうにもあそびにくい。午前中のそば打ちの仕事を終えて、自宅でもたもたする。夕方近くになって、借りていたDVDを返して、そのまま山に向かい、小川温泉元湯に入る。 山といいながら、それほどに海からは離れていない。10キロメートルを少…

墓の木クロカン

天気がよくなってきたので、どこか行きたいなと、クロカンで遊ぶことにした。先日、山の上で遊んだので、今日は、川原。黒部川右岸の公園を歩く。 積雪は少ない。今年は寒いが雪が降らない。雨になってしまうのだ。それでも昨晩の雪が20センチ。スキーならこ…

ゴルフ場でクロカン

いろいろ配慮をいただいてゴルフ場でクロカンをさせてもらった。台地の上に広がるそのゴルフ場は、起伏が激しく、いくつかの棚のような場所をつないで18ホールを構成している。それは、とりもなおさず、クロカンの適地とも言えるわけで、昨年、スノーシュー…

EDCってやり方があるそうな

鉄ちゃんというほどではないけれど、鉄道は好き。父が国鉄にいたし、すぐそばを鉄道が走っていることもあるんだろうね。鉄道の記事は興味深い。 ななつぼしとかいう豪華特急が運行され、富山県内の在来線にも入ってくるって話が、地方紙に載っていた。よく見…

学力を捉え直しするとするなら

ある原稿を見ているうちにフツフツと沸き起こってきたことばがある。原稿は、学力学習状況調査にかかるものなのだが、平均点を上昇させるために何をするのかを問いかけるものであった。 その調査について平均点を上昇させることは、目標としてそれほどに違和…

和食文化

和食が文化遺産として認められるというので、世界中の人々に認めてもらおうと、例えば、豆腐にオリーブオイルをかけたり、バルサミコ酢で鯛を焼いたりという工夫がなされている。富士山の世界遺産登録もそうなのだが、どうもこういう価値の相対化によって生…