若い命を散らした青年の葬儀に参列。
いっしょに釣りをした川縁の葬儀場には、友人がたくさん集まった。
最後までしっかり見送ろうと、それぞれに姿勢を高くしていたのが印象的だった。
野辺の送りが火葬場まで続く。
最初の火が彼にまわって、煙が立ち込め始めた。
友人の女の子が「上がっていくよ」と泣き崩れる。
いや、彼の煙は、傍らの黒部川へ堤防を駈け下って、そして、彼の町を見下ろすようにふわっと広がりながら天空を目指した。
その様子は、小さい頃、初夏の川で遊んでいた彼の姿と重なった。
さようなら。
さようなら。
山に、川に、野に、彼の魂は遊ぶ。