スキー

改めて書こう。
レガシーテレマークに行った。インフルエンザのリハビリである。少し身体を動かさないと。あ、風呂にも1週間入っていない。
レガシーテレマークはボクの造語。革靴細板に代表されるクラシックなテレマークを、昔のスキーへの憧れをこめてそう呼んでいる。
今年はプラブーツを買ったので、靴の調整もあって、なるべくプラブーツを履いていた。そこそこチューンも済んだので、ここらで革靴細板に戻って、いろんなことを確かめたいと思ったのだ。
カービングテレマークをしていると、時々技術的向上が板や靴に依存して生じているのではないかと思ってしまう。基本的な技術ベースがどんな具合に発達したのか、いささか自信がなくなる。
今日は、春みたいな日だったので、そういうことを試すにはいい日だし、息子たちも女房もついてこなかったので、丁寧に山まわりなどを稽古するにはちょうどよい日。
だけど、思い切りが悪くて、結局、プラブーツも持参。だめだと思ったら乗り換えるつもり。
開幕以来の革靴なのだが、軽い、軽い。当たり前だ。先週はこれでクロカンをしていたのだから。この靴はスーパーという名前のクリスピー製だが、まさに名の通り。来拝山でもこれで登った。実に安定して柔軟でいて、硬さも申し分ない。
板の軽さにも感動する。弟の板だが、72mmくらいか。ドロミテというモロトの板。他にもレースというのを持っているが、そちらは来週のレースで人に使ってもらうためにドック入り。ケーブルなので、3ピンならもっと軽快か。
数回軽く山まわり。いい感じだ。以前よりはっきりと内足を踏めるようになっていて、1本の板のように乗れる。これまで右ターンが得意と思ってきたが、実は左の方が素性がいい。切れ上がるのだ。右はアンギュレーションが強すぎる。左くらいの感覚でいいのだとわかり、これも勉強。
わりにフラットな中斜面を走るが、これが快適。細い板はよく走る。明らかにカービングにはない滑走感。靴はもう少しつらいかと思ったが、全く平気。フィット感が高く、いよいよ楽に滑れる。いつもの太股の乳酸が出てこない。板に忠実に滑っているせいか。
シュプールは切れ込むようにとはいかないが、最低限のずれをきれいに作って、割りに美しく、レガシーテレマークにふさわしい。
休憩していたら年輩の2人連れに声をかけられる。戸倉山の帰りだという。革靴に驚かれ、カンダハーみたいでしょという言葉に懐かしがられ、煮たイカをいただく。
軽快なので、少し足幅を広げてみた。カービングに近い感覚になるが、やはり、このシステムでは2本を一体に使う方がいい。腐りかけている雪に足を取られる。1本のパワーが違うのだろう。
久しぶりだな。こんな気分のテレマークは。このまま山に入ると難渋するんだろうなあと思いながら、山に行きたかった。
ゲレンデなら、革靴細板で十分。ちょっと自信がついたぞ。基本的には、プラブーツだから、革靴だから、細板だから、カービングだからと技術的なベースの部分に違いがないことがわかった。
駐車場で靴を乾かして、ぼんやりと駒ヶ岳を眺めていたけど、少しにこにこしているのがわかった。