立山

思い立って立山に行って来た。
先週の月曜日に立山にいたわけだが、立山荘の日下さんがしきりにいいぞいいぞという。弥陀ヶ原でクロカンもいいのだが、室堂から降りてくるのもいいという。
先週の帰りに、クムジュンに寄ると佐伯高男さんが「今年は雪が少ないので、室堂〜美女平はオープン時しかだめだった」などと話していたこともあり、宿酔いで少々くたびれている気持ちに少し鞭を入れて、午前10時に家を出発。
板は、細板、靴はプラブーツにした。弥陀ヶ原を遊ぶにはステップがいいが、天狗山の大斜面を滑るかもしれないと考えると、ドロミテがよかろうと持参。
千寿が原11:15。室堂には、12:30に到着。
ビジターセンターに行って積雪の状況を問い合わせる。
東京から来たというショップのツアーの人たちがいて、ガイドがボクの板を見て、「革靴ですか?」と聞いてきた。「いや、今日は濡れそうなので、プラにしました」と帰した。ほとんどが50後半の人たちで、これから一の越あたりを目指すという。エールを交わして雪原へ。行程について悩むつもり。
室堂山荘の雪上車の少し上で食事。むすび2個。にがり水をたくさん飲んで、高度順応を進める。
見晴らしはいい。室堂から見る剱って丸っこくってけっこう間抜けだなあとか考えていた。室堂山方向でボーダーがジャンプ台を建設して楽しんでいた。あそこまで登ればそこから少し国見の中腹の方に回ってあとはパスカングでいいかと、そんな行程を決める。
13:00。出発。
板にクライミングサポートが付いていると思いこんでいたが、突いていなかった。弟の板なので勘違いしていたらしい。面倒なので、最初から担いだ。
100mくらい上げるのに15分。少し早いかなと思っていたら、案の定、リバウンド。息が上がる前に、足が辛くなってきた。
ボーダーがたまっている場所の少し上に稜線が見えるのでそこまで行こうと思っていたが、見るともっと上の方から国見の腹に滑り込むことができそうだった。
それで元気に稜線を目指したが、稜線まで行くと、その向こうにまた小高い場所が。室堂山から流れる稜線に思えた。そこでもボーダーが豪華な食事中。では、とそこまで行くと、緩やかな好適な斜面が室堂山から続き、その先にリップのようになった場所があり、おそらくカルデラの外輪山の端っこ。約15分くらいで到着。
ここが素晴らしい景観。見たことのないスタイルの山々が見える。ボクが普段見ている世界を超えているのだろう。2800mに近く、大日までもが低く見えている。薬師も間近。何より、ザラ峠を越えた世界が間近。
ところが、この場所が猛烈に風が吹き上がっている。スキーをザックに着けているからか風に押されて吹き飛ばされそうなので、すぐ鞍部に降りる。
板を準備して、さっそく滑り出す。国見の方向へ緩やかなスロープを滑る。快適。日差しもいい。稜線のこちら側は風も穏やか。
そのまま、国見の鞍部まで快適な滑走。足の裏に雪を感じるこの感覚が何とも言えない。
国見のピークが見えるところまでくると、雪の大谷側に滑り降りる好適な斜面があるが、これを降りてしまうと天狗原での高度が稼げない。
そこで大きく斜滑降して高度を維持する。これがきつい。右足が常に下になるのだ。
このまま天狗山のあたりまで大丈夫だと思ったら、這松が露出していて結局少し滑り降りることに。だったら、あそこで降りておくんだった。
天狗原の上部。一面の雪原。思い切った直滑降。爽快。
天狗山の大斜面は素晴らしい場所だ。時間があれば、登り返したいところだ。ここから30分もあれば滑れる最高所に行けそうだ。全日本スキー連盟の合宿をここでやるとかいう話も聞いたが、それらしい。
登はんは諦めて美松方面へ。美松坂ではアルペンスキーヤーが見える。どうやら小屋の人に迎えに来てもらって滑っているらしい。
ここあたりからオオシラビソの間隔が狭くなる。雪解けが進んだもので一気に雪原を横切ることもできないが、もともとこういうのも嫌いではない。できるだけ高度を落とさないように斜滑降を繰り返して、立山カルデラ展望台へ。このあたりで2100m。
鞍部まで少し降りて、天望立山荘の裏山「天望山」の天望平に登り返す。ここで今回初めてのシール。5分ほど上がると、弥陀ヶ原ホテル、天望立山荘に滑り込む場所に。
ここからのカルデラの景観は最高だ。完全に360度のパノラマ。積雪期だけのお楽しみ。松尾峠に行く手もあったけど、このまま天望山を下る。意外に斜度もあって、弥陀ヶ原のバス停から見える場所にシュプールを刻む。
ここから弘法まで降りてみるつもりだったが、積雪の関係でバス道に戻る適当な場所がないそうで、すでに3時を回っていることもあり、ここで終了。
充実感のあるソロツアー。
板は全く正解でした。クロカンではけっこうきついところもあったし、担ぐにはテレマーク板はちょうどいい重さ。
来年は、弥陀ヶ原から美女平のルートを滑ってみたい。ガイドがいないと無理みたいだが。