200発

先日の東京ドーム。生ノアだったので、けっこうじっくりと見てしまった。
まず、KENTAがタイトルを獲るだろうとは予想通り。そろそろ、そうしてやらないと。KENTAのファイトは、丸藤と対照的に食ってかかるようなところがあって、それがタッグのおもしろさなんだけど、その2人が別れたときに、もっともっと面白くなるのは、天龍同盟バーニングでも同じこと。
次は、ムシキング。○太郎もいろいろ大変だな。見に来ているちびっ子がいるので笑えた。仕込みか。本気か。
それから、GHCタッグ。鈴木と秋山のからみがおもしろいのだが、秋山は今回の主役は橋ということで少し控えめ。彼は、去年からそういうスタンスでやっていて、少しもったいない。その橋はここらでいじられキャラから脱却したいところで、ちょうど先週の怪我か何かがあってドラマとしてはいい調子。頑張った方だが、追い込んだ感じまではなかった。
力皇はまだまだ。棚橋も作れないで終わっている。あいつ、どっか中途半端なんだな。ノアで鍛えてもらうといい。受け流しとリアクションのうまさでは、結局、藤波だ。あとで語るが、逆水平のリアリティに全くかなわない。
天龍、小川は見なかった。近所を歩いていた。
帰ってくると、ちょうど、小橋、健介。序盤でいきなりバックドロップ、ラリアートの展開。解説の高山がもう終わってもいいんじゃないのとまで言っている。素人受けも玄人受けもしないが、高山の解説も含めて、興味深い展開。案の定、200発の逆水平というプロレスぶり。こういうのが見たかったんだ。できないもの、だれにも。そういう超人の世界じゃないと。高山はリングに帰りたいだろうね。もともと、U系の高山なのに、彼はちゃんとプロレスを受け入れ、プロレスとして考えることができる人で、中邑みたいにどこに上がってもあれしかない人とは違う。鈴木もなんだかんだいいながらプロレスしているわけで、もう一度、高山、鈴木を見たいもの。
健介の女房は殊勝に控えていたが、それはこのプロレス界天上の対決にリスペクトしていたんだろう。新日を追われた健介がノアマットに流れ着いたとき、彼のプロレスを受け入れ、さらに激しく呼応してくれるものを感じて、北斗もちゃんとそのことを理解していたように思う。何回も繰り返した「ありがとう」のことばは、健介にそのまま返したい。北斗にすがって泣いている健介に、ボクはいろんなものを見てしまったな。それほど好きなレスラーではなかったが、小橋のような愚直さに見えたとき輝く人だったのだと知った。蝶野なんかではだめだったんだ。
メインは、川田。あまりにも無骨な結末。川田らしい。受けるだけ受けて力尽きる。むしろ、呆気ない結末にドームは奇妙な静寂が漂ったが、それもまた三沢。エルボーですべて終わりにしたいと考えたようだ。
天龍、健介、川田。こうしたレスラーとの響きで、ノアマットはGHCを誰がもっていようが関係ないことを教えてくれた。もちろん、鈴木はそこに入るが、棚橋はもう一つだった。彼を輝かせるのは力皇ではなく、秋山やKENTAである。
あの200発。ちゃんとどっちが多かったのか数えて欲しいものです。高山は解説で要求していたけどね(笑)
あ、そうそう解説の(立会人と紹介された)天龍の笑みが素晴らしかった。みんないなくなったあとのプロレスをああいう表情で見つめられるのは、いや、天龍にそんな顔をさせられた東京ドーム興行は、そのことだけで成功だ。「すごいねえ」と歓声を受け止めていた。