シーサイドバレー

スキー教室の下見というので同行したが、下見ではなく、下見の人にもらえる一日券を当て込んだスキーツアー。前回、どうもポジションがうまくつかめなかったので、革靴細板で出向く。朝になって板を磨いて、今朝は冷え込んだのでけっこう固いバーンになっているだろうと、かなりシャープなエッジにしてみた。
午後10時にホワイトクリフの前で待ち合わせ。どうやら、天然温泉が出たらしく、チープな看板に「美人の湯」とある。狙っているのか、すかした結果なのかわからないが、風土には合っている。
このスキー場のスタッフはなぜか若い痩身の芯が強くてやさしそうな美人が多い。今度行かれる方はそんなつもりで見て欲しい。もっとも「みはらし食堂」は前世紀の美女がわんさといる。
滑り出しが、10時20分。スノーシューのフィールドを少し検討して、ゲレンデの様子をもう一度確認する。パンダリフトの動き出しは少し遅い。第一ゲレンデで数カ所拡幅のあとがあり、また、ゲレンデも雪の多さ故かなり平らになっている。そのため、人のたまる場所に少々変化が出ている。こういうのをちゃんとチェックしておかないと滑り出してしまって後悔することになる。
同行のみなさんはけっこう素晴らしい道具立て。みんなそれなりの板をもち、どうやら腕前もそれなりらしい。上司筋を少し確認して、結局、はぐれた。リフトから見えた姿でもしやと思って「みはらし食堂」前に行くと、jeepさんである。久しぶりですね。この人の板のデザインがなかなかいい。初期のカービング。サイケな着色がなんとも言えない。2人で2本ほど滑る。ボクの革靴細板を見ながら感心してくださるが、いやいやどうしてファットにプラブーツよりも乗れるのだ。
ボク自身の乗り方がそうさせるのか、革靴細板であることへの違和感や脆弱さをあまり感じない。さすがにパウダーやオフピステというわけにはいかないが、圧雪や締まった雪の場合、細板の滑りのよさは実に爽快である。そのうえ、こういう道具を使っていると両足をしっかりと踏みしめられる。いくつかの技術的なことをチェックするように、山回り、谷回り、ギルランデなどを繰り返し、スタンスを幾重にも調整しながら板の安定ポイントと一番楽に乗れる場所を探す。
お昼の待ち合わせがあったので、jeepさんと別れ、リベラでノンアルコールビールとおにぎりの昼食。帰りに、蕎麦でも食うかもしれないので、ここでは腹を整える程度。
食事後、第5ゲレンデに行くが、スノーボードの大会のため、コースが半分閉鎖。これでは、テレマーク、しかも、195センチの板は快適というわけにはいかない。第6ゲレンデで技術的なチェックを少しして、もとのゲレンデに移動。少し急な斜面で、体をCにして支えるというこの間雑誌で見た感覚を試す。これまで細板では膝と膝の間をわりに近く保っていたのだが、思い切り外足を遠回りする感覚でトライしてみると、中斜面の深回りがそこそこに切れ上がる。何といっても深回り大好きなものだから、こういう圧のリバウンドはうれしい。細板もファットもそんなに変わらないんだな。
形を決めて滑ろうとするとなかなか疲れる。青海のセブンイレブンで甘酒と魚肉ソーセージを食べて、親不知のワインディングあたりから眠気が強烈に。自宅前では数回意識がとぶ。そのまま自宅の駐車場で15分ほど寝込んでしまったらしい。
おもしろかった。細板革靴は、バンブーロッドですよ。性能云々よりも使っている快楽じゃないかな。とjeepさんに話してみたが、思いもよらずついて出たことば。案外、いい捉え方かな。