懐かしい場所へ

かつての勤務先に宴会として出向く。宿泊したのは、桃源。宇奈月温泉の大字の名前を冠するお宿。ここの露天風呂は川に最も近く、水深があるのが特徴。深い浴槽は圧力のかかり方が違うのでマッサージを受けているようで気持ちがいい。
仕事場の宴会だが、あまり得意な方ではない。この職場ではまだそういう場所には立てていないらしく、いろんなことが響いてこないので、面倒だから盛り上げることもせず、ロビーで見かけた芋焼酎を密かに頼んで飲みまくる。これがなかなかうまい。あやかし福助とか言ったな。
1次会から2次会に移っても雰囲気はそう変化なく、あずさ2号や吉田拓郎の「落陽」を歌ったりした。マジンガーZも歌ったか(笑)こういう感触は、前の職場ではやけに盛り上がったが、どうもいけない。それで、こちらも早々に芋焼酎モードに突入。1瓶空けた。
3次会と称する部屋での飲み会を楽しみにしている様子がありあり。どうも、缶ビールだの、缶チューハイだので乾きものを食べながら部屋で飲むのはあまり好きでない。山仲間となら、そうやって部屋でやっていても回りの空気を吸い込んでくるようなおもしろさがあるんだが。
いや、所詮、酒飲んで難しい話をしなくてどこがおもしろいという性格ではだめなんだろう。
そこで、馴染みのお店に行くことにした。昔、えらく可愛がってもらったが、今はこういうときにしかいけない。ご亭主と内儀が愛想よく迎えてくれて、焼酎とおでんをたんと食べてきた。宿に帰る途上、満天の星空を眺めていると泣けてきた。まだまだ、ボクのことを憶えていてくれる人がいて、時々に、どうだった、何してると思ってくれている。出会った瞬間だけかもしれないけれど、そうやって行ける場所があることは幸せなのだろう。26歳から34歳までという最も充実した季節をここで過ごした。
今朝は、やはり世話になった喫茶店を訪ねた。身に纏ったリズムが少しずつ緩んできた。ふと見ると、解禁直前の川に岩魚のライズ。
春なんだな。今週は、長男の卒業式だ。

で、続き。
花火があるというので夜出掛けた。
宇奈月町最後の花火である。街角に雪のキャンドルが作られている。移ろいゆくものの記憶を何かで留めようとしている。
馴染みのコーヒーショップには、またまた懐かしい顔。何だかうれしくなって、宇奈月ビールを飲む。お気に入りの黒ビールである。名前は「カモシカ」。前の前の職場でさんざん捕らえた(笑)いろんな仕事をしたものだな。
今、公務員改革とかで削減の対象になってるけど、前の前の仕事は市町村の役所務めだったが、ボクの能力には手一杯の仕事ばかり。削減するなら、住民の事故責任、自己負担、あるいは、住民相互で解決できるような部分をしっかりと薦めていく必要があるだろうな。
いい夜になった。
このまま佐々木と皆川が活躍、いや、もしかしたらの幻想を抱かせるようなパフォーマンスがあれば、もっといい夜に。
そして、長男の長かった受験の旅も、とりあえず、一旦、明日で一区切り。ゆっくり帰ってこい。