企画書

来週始めのある事業で、全員の企画書を集めている。ボクは全体の日程管理が仕事なので企画書の中身はどうこう言えるものではないが、さすがにもうちょっと考えろよと言いたくなるものもある。
まず、日本語になっていない。目的と結果として導かれるべき状況が一致していない。最初からあきらめているんだなと思ってあげることにした。
次に、書式の指定が守られていない。書式ならいいけれど、項目が全然ダメ。この種類の仕事場ではあまりうるさく言われないけど、実はもっとも大切な礼儀。年間計画の作成の時にはあんまりばらばらなので、すべてのファイルを総括して自分で編集し直した。その方が時間がかからないが、人は育たない。それでも、時間もなく、背に腹は代えられなかった。
それから、以前どっかで使った企画をそのまま使う人。去年、同じようにやった企画をそのまま使う人。前に勤務した職場で使ったものをそのまま使う人。
そして、一番憤るのは、一度目を通して修正意見を付けてもそのことを無視したり、咀嚼しないで次をぬけぬけと出してくる人。臆面もなく。
企画書には思いやら願いが必要だと思っていて、以前はその部分だけ強烈に出ていて文章の方は今ひとつ整理が付いていない人の企画書を何とか読み物程度にはおもしろくなるように修正したりしていたのだが、そういうのはめっきりなくなった。何がやりたいんだと叫びたくなる。
実のところ、今勤務しているエリアはこんなものらしい。東に行くほどレベルが上がる。それは、斟酌のない意見を交わして互いを見つめ、振り返って実践し続けてきたからである。低い山でいいと思っているといつかは山にも行かなくなる。
実は、一番残念なのは、最も仕事の出来る人が以前どこかで揉んだ企画書を使ってきたこと。別の職種に出向し、力を蓄えたはずの人が誰かの企画書をいじって、しかも、まったくおそまつな企画書を平気で提出してきたこと。それは、ボクの経歴に対しての疑義さえ生みかねないが、彼がそれで良しと嘯く姿に同情するのである。