A川

仕事帰りに久しぶりのHポイント。
河原は鬱蒼と草に覆われて、減水したジンクリアの川が美しい。
いつものように流すのだが、これがウグイ1尾反応がない。リーダーを交換したらキャスティングが見違えたようでもある。せっかく、いい場所を流れているのになあ。
仕方なくこのポイントを諦めて、ひとつ上に行くことにした。
流れがすっかり変わって、右岸側にだけ水が流れている。おかげで少し釣りになりそうなのだが、葦が猛烈に繁茂しているので、キャスティングがきつい。時間も時間なので大場所だけ狙うつもりで、ひとつ上の堰堤へ。
ここはすっかり埋まってポイントがとても小さくなっている。ちょっとだけ流すが出そうな気配がない。
堰堤の上のちょっとしたバックウォーターは両側を葦に囲まれて真上のキャストしかできない。こういうのはドラグがかかりやすい。足下が落ち込みなのでラインスラックも気になる。
こんなものかな、とアダムス。赤みを帯びた魚体が反転。ヤマメか。すぐに反応が消える。フライをライトケヒルに変える。ライズはなく、ハッチは#18級のカディス。だが、そんなのでは見えない。むしろ、もうしばらくしてから出てくるエルモンが出てきたと思わせればいいだろう。案の定、反転。だが、取れない。と、思ったら、水中でかかっていたらしくリーダーが水に吸い込まれている。引いたが、すぐバレる。
少し気を取り直して、ロングリーダーにして、ATダンに換える。全然見えないが、そのくらいでけっこう。カディスのように水面に張り付けばと考えた。
多くの合わせ損ねは、たいていの場合、捕食する餌と合っていない。きちんと合ってしまえば、ほぼ向こう合わせに近くなる。ニレ池で得た知見だ。
1投目。きた。寄せた。アップストリームなので必死でラインをたぐる。取った。きれいな、西の空によく似合う赤みを帯びたヤマメ。ネットランディング。
さぼって釣りをするとは何と気持ちのよいものだろう。日が暮れた。仕事場に電話を入れる。いくつか案件があるが、明日でよかろう。