再開発

富山県の人々というのか、その地域の人々が「県都」と呼んで憚らない富山市一番の繁華街。最近は郊外に大型店が増え、公共交通機関が乏しい地域でクルマに頼って生活している現状で、中心市街地の空洞化が進んでいる。県内最初のスクランブル交差点は普通の交差点になり、西武は撤退。マクドナルドさえ、そのエリアからなくなった状態。
そういうなかで、老舗の百貨店が空襲にも耐えた店舗離れ、斜向かいに移転した。どうやら中心市街地活性化の起爆剤にでもしたいとの思惑があって、市内軌道の延長や中心地でのマンション建設も相まって少々元気が出てきた印象があった。
新聞やテレビの報道でもたくさんのクルマが押しかけ、そのうえ、会う人会う人が「行ってきた?」などと聞くものでよほど素晴らしいのだろうと思っていて、ちょうど出かける予定の場所の近所の駐車場が入れなかったのでついでに訪ねてみることにした。
行ってみて驚いた。取り立てて何と言うことはないのだ。先月行ってきた所沢の西武などというマイナーな場所でもこれより立派。何が立派で何が立派でないのかは買う人のモチベーションにもよるのだが、新しく入ったブランドとかも、ボクが得意のアウトドア系のものしかわからないが、これならわざわざここにこなくてもいいと思えるほど。文具は全くがっかりで、最近の万年筆ブームもここには届いていないし、このところ見直されている手帳関係も扱っている商品が偏っている。この程度の店ならまだまだいくらもある。紀伊国屋書店が唯一何とか面目を保ち、レストランがそれっぽく展開しているのだが、それとて、全国展開のステレオタイプで目新しいものは、ない。スタバも、小手指西友ストアよりも貧弱。どっかの駅前みたいなのだ。
ま、こんなものだろう。30万都市だもの。
だけど、これに沸き立った県都のみなさんはどうなんだろう。新しいもの好きか。わずか200mほど離れた場所がやけに廃れた印象を与える。結局、AをBに移して、また、BからCい移すことで短期的な活性度を上げてしまう程度の効果は、少なくとも期待できるといったものなのか。聖武天皇みたいなものか。