早月川温泉

石動まで野球の応援に行って、そのあと、滑川の箕輪という集落にある早月川温泉に入る。ちょうどここで田代兄弟と「BS日本つり紀行」の撮影をした。早月川でしつこく粘り、大きなヤマメを上げていただいたのだが、そのことでボクはどうやら早月川を愛するみなさんから賊呼ばわりされたようで、以後、ボクに関する悪い噂をいくつか聞く羽目になった。
曰く。「子どもから金を巻き上げている」「子どものマテリアルをかすめている」「地元の川ではなく、わざわざ人のエリアの川を紹介して荒らしてしまう」などなど、耳に入った。聞こえたもの以上にボクはひどい奴になっているのだと思うし、自分ではそう思っていなくても人からはそう見えるなら、それはそれで真実なので、否定のしようもないが、少々縁起が悪いので、この場所にあんまり近寄らないようにしていたが、来てみるとあの頃のインレットがそのままで妙に懐かしくなった。
温泉は比較的空いていた。カップルがテニスをしていて、かわいい彼女がジーンズで遊んでいる。昔、その昔、ジャージでテニスをしていて、ウィンブルドンなみなさんかどうかはしらないが、ひどく言われたことも思い出して、今はこうやってできる時代になったんだなと、ボクの中でもいくつか整理できるものが生まれたようだ。
典型的な日帰り温泉
40度でナトリウム硫酸塩泉。加水ありって書いてあるけど、加温はなし。それであの水温はおかしいが、まあ、いいや。サウナ付きだが、故障中。しっとりとした柔らかいお湯で気持ちよかった。
帰りは、「出る」と噂のトンネルを通る。
学生の頃、このトンネルで奇妙なできごとに出会っている。
魚津市側からバイクで入ったが、向こうからヘッドライトが近づいてきたので、トンネル途中の待避所で待っていた。クルマとバイクならすれ違いもできるが、泥水をかけられるのもかなわないので、そうしたんだが、いつまで経っても対向車がこない。バックするわけもないし、そうなら気が付くはず。途中の水たまりまでは来ていたので、バックすれば不自然なタイヤ痕も残りそうだが、それもなく。ふと、バイクの後部に人の気配があり、慌ててその場所を離れた。