街道沿いの町。七夕の花火

北陸上街道沿いの町。すっかり廃れた印象もあり、街路の風景も失われている。
新しく家を設える人々が、まったく思い思いに家を建ててしまうので、町並みが失われてしまうのはここだけの話ではない。とはいえ、かつての生活スタイルも失われているのだから、必然性を失っているとも言える。家の色や雰囲気、そんな共有事項を設けているところもあるらしいので、できないことではないとも思えるが、その町に暮らす一体感をもはや維持できない現れなのだろう。
しかし、年に1度のこのまつりでは、家々の前に、工夫が凝らされた七夕の笹飾りが並ぶ。空き地が増えて、すっかりくしが抜けたようになっている街路もこのときだけは一体感を取り戻し、そぞろ歩きも懐かしい。
中空に花火。縁側から眺める。
何にも考えないで、ぼーっと過ごす時間の短いこと。