アンパイア

3年間そのために懸命にやってきたものがある。ベースをいっぱいにつかって、角を横切ったり、皮一枚かすめたり。実際、そのようになって勝った。が、その力が別のアンパイアになった途端にすべて反古になる。渾身の一球がすべて否定される。悪意なのか。だとすれば、許し難い。そういう人物なのか。だとすれば、なぜあのフィールドにそんなものが立てるのか。思いを生かせない人など、教育の場には要らない。無論、誇りを賭けた戦いのステージに臨するべきではない。
富樫とか言ったな。
タッチしても間に合わないから危険なのでタッチに行くなとさえ言ったそうだ。
それはもうジャッジではない。ぎりぎりの最後の一瞬まで可能性に賭けるのが野球だろう。
甲子園で勝てない理由が、よくわかった。甲子園モードでは戦えない予選から強い力が生まれようはずはない。