ニレ池

昨年の9月以来のニレ池。前回は、テレビの取材で、羽蟻の激しいライズに出会った。
年が明けてからは初めてのニレ池。すっかり春である。
水はジンクリアとはいかないものの、それなりに澄んでいてドライでも十分に行ける。ライズは部分的だが、おそらくミッジ。天竜のロッドの釣り味を試すにはむしろおもしそうでもある。
先日ティペットが尽きてマキシマのものを少し買いためた。その様子も試したい。
インディーモモに寄ったので完全にお昼を回った。まあ、10ほど釣れればよいかという感じ。お客さんもそう多くなく、爆釣というほどの人はいない。みんな上手だけど。ボクのようなロールキャストばかりのふざけた釣りをする人も少なく、しっかり投げる人は多い。
ロッドは#3、8フィート。バテンキル#3ディスクを組み合わせている。ラインは#3DT。こんなもんだろうという感触で軽く柔らかく投げられる。とても感触がいいのは、キャストの間ずっと力が加わっている感じがあるのだ。その加減がバックもフォワードも、ターンオーバーのときもあまり大きな変化を見せず重みのように残る。そこらは好き好きなのだろうが、ロッドが勝手に走って力が抜けてしまうことがあまり好きではないボクには適当。どんなキャストにも十分に対応できる。(はず)

最初は、いつものようにバーベキューエリアの方の岸周りから。#16のパラシュートから始める。表面の何かを食べているが、桜にしか見えなかったりするので、何でもいいやのしぐさ。適当にかかるが、どうも違うだろう。偶々くわえたものをサイトで合わせて取っている。そんなのは、ひっかけ釣りに近い。それで、グリフィスナットに替える。これは奏功。いくつかを確保。

この日は桟橋で座ったままフライをしているおじさんがあったので桟橋はやめることに決める。それにしても、カップルが多い。若いのから年配まで。うちの連れは、クルマで本を読んでいる。いっしょにやればいいんだな。ボクも薄情なものだ。
流れ出しの方に向かって小さなライズを捕まえる。黒いユスリカがたくさん出ている。食餌は間違いなくそれなのだが、さてどのステージなのか。#24がメインになる。日差しのせいか、6Xではしぶく、7Xの釣りに。アダルトには無反応。やはりピューパ。水面にぶら下がる形でしか食ってこない。思惑がきれいに合った釣りが何回かできて満足。ロッドもきれいにしなって、取り込みも全くあたふたしない。全く量産型にしては調子のいいものを作られるものだ。

7X、#24の釣りに全然平気な自分にも少し感心している。ほぼ見えているし、トラブルもなく、切れることもない。そこそこ経験が押し上げているものがあるらしい。マキシマのティペットも調子いい。かなり強い引きのあともよれることがない。
午後2時30分。ライズが止まる。
休憩のあと、大きいのをかけてみようと流れ込みのうじゃうじゃたまっている場所で金魚すくいのような釣り。ほぼ銅線だけを巻き込んだソーヤーニンフをノーシンカーで流し込むと、40センチ級がおもしろいように釣れる。このロッドもティペットも十分に楽しませてくれる。「つ」がとれるまでと思ったが、結局、15ほど立て続けに釣り、ロッドの感触を試す。シンカーを付けて底にいる大物を狙うが、魚の密度のせいでどうしてもすれがかりから逃げられない。推定45センチ程度が今回のランカー。
釣り終えてから松川の方に出て風にあたる。先日来の咳がこれですっきりすればいいのにと願いながら白馬三山を眺めていた。