イラスト

朝からイラストの仕事を1本仕上げた。
最近は、そういうオファーも出てきた。まったく、全然才能もないんだけど。
大塚英志の本を読んでいたら、ちょうど2000年ごろの話だけど、昔のアヴァンギャルドというのか、前衛というのか、少し過激に調子を外したようなものは、美術ならデッサンとか、基礎的な技術とか知識とか、そういったものを一通りやったうえで新しい表現の模索があったり、音楽ならとりあえず楽器をちゃんと使えるとか、楽譜がしっかりと把握できるとか、そうしたしっかりしたものを持ってそこから新しい表現に立ち向かったり、好き勝手したりしたものだが、ショートカットしたようにいきなり、前衛から始まる人もたくさんでてきたなどと書いている。ちゃんとした力があってやっていることと、そうでなくってやっていることには差異があるんだけど、もうそのままやってしまう人が多くなったのは確かにそんな頃からかも知れない。
ボク自身がまったくそのとおりで、完全独学で、芸術というよりはゲージツみたいなものの雰囲気をそのまま模倣して茶化しているところがあって、音楽だって楽器なんか全然出来ないくせにテキトーにフリージャズみたいなことをやって楽しんでいた時代もある。過激なのはすいぶん楽なのだ。パトスを放出すればいいわけだから。
ボクの絵描きもまったくそんなもので、熊谷守一みたいなのが画けるといいなあと思いながらいい加減にやっている。

今日はこんなのを書いた。
もともと昆布の箱に書いてあった意匠を拝借。それにジッパーを付けた。昆布の先端を割ろうかどうしようか考えた挙げ句、それよりも開いたら何が入っているかを想像した方がおもしろそうで、こんな感じに。
才能も、技術もないけれど、こうやって楽しむくらいはいいだろう。
中学校の美術が最悪だった。何をやっても評価されない。上手下手で判断する先生だったのかな。わからないけれど。高校の美術の先生が、褒めてもらったわけではないけれど、認めてくださったおかげで、こうやっていい加減なやり方で楽しめている。教育は一生ものになるんだな。何かの賞などもらったこともないし、そんなことに価値は置いていないけれど、一生ものです。上手下手、得意と好きなんてのは一致しないんだよ。
今日は、川虫の絵もちょっと描いておかないといけない日だが、草刈りの仕事が最優先。