県庁の前で

県庁の前で、合併問題の渦中にある、ある町の首長2人に会った。少々面識もあるので、やあ、って感じだった。記者の取材を受けているらしい。どうやら、4つの合併当事者のうちもめていない2つの首長らしかった。残りの喧嘩中の方々は、さて、どこにいらしたのやら。子どもの喧嘩よりまだ悪くて、財の再分配をめぐって争う、というより、我を通す姿は、極めて奇妙に見える。たかだか50年程度の市町村の歴史を大仰に、声高に言うのは、明治政府が国体を誇示したのと同じ理屈であり、意外にこれがやっかいなアイデンティティを形成しているのだ。