ツアー登山

山渓の最新号(2004.6)で、羊蹄山のツアー登山遭難事故の検証記事が書かれている。いろいろ考えさせられることが多い。
遭難そのものは、ツアーにおけるガイド不在などを含んで、行程のリーダーシップが存在しなかった杜撰さが引き起こしたようにも思える。
学校登山においても、「登ったことがある」という程度の教師の引率で、驚くべき人数の子どもたちをわずかなリードで登山させている場合が少なくない。
比較的簡単に登れると思われている立山でも、3000m級の山岳であり、天候や行程の判断は、集団が大きくなればなるほどガイドでさえ難しい。
現在、ガイドの手当は、4万円/日だそうだ。なにもなかったらもったいない感じがするのだろうが、集団になればなるほどコストが高いとは思えない程度の金額だ。
考えさせられる。
富山県内では、学校登山を行うすべての学校について教員研修への参加を義務づけている。ガイドの雇用までは至らないようだが、やはり、山の達人たちのことばや行動そのものが山の深さを知る上でも大きな教育効果をもつ。
がんばって歩く。我慢して到達する。山はそんなちっぽけな学校的倫理観に支配されるべきではない。