スキー仲間

仲間というにはおこがましい感じさえする求道的なスキーをするKさん。
板を譲ってもらったり、靴をいただいたりと、ご縁があった。
もともと関西の方のご出身で、東京からT町に移り住まれ、山を中心に活発に飛び回っておられた方だ。
最初にお会いしたのは、三峰。大日本テレマキアの会場で、ボクの板を履いて滑ってもらった。それから一気に腕を上げられ、ボクらなど足下にも及ばなくなった。全国大会にもたびたび出場しておられた。
この冬、栂池のテレマーク・オン・ザ・ヒルでごいっしょしたのが最後だった。
25日、立山少年自然の家で仕事をしていたが、ふと目にした新聞にあったのが、Kさんの名前。年齢も合っている。どきどきして、Kさん行きつけのスポーツ店に電話すると、どうやら間違いない。病を得てのことと聞く。雷鳴が轟く夕方。
26日、ご葬儀が行われた日は、素晴らしい夏空。立山が元気に突き出してくれた。その夜、あふれる天の川に、流星がひとつふたつ。まるで、立山に続く川と山を、Kさんが滑り降りていったようにも思えた。
合掌。