安藤美姫

昨日、人間ドックだったので、置いてある雑誌を片っ端から読んでいた。Numberがあって、ボクはわりにスポーツライティングが好きで、この雑誌も好ましい部類だ。スポーツ選手のことばは実にいいもので、からだを鍛えることは、ことばとの、つまり、想像力が欠かせないことがわかる。
ちょうど、サッカーの一次予選が終了したところで、日本の高校生程度のチームに1−0の日本代表をみんながぼろくそコメントしていた、そういう号である。
そのなかで、フィギュアスケートについて触れていて、アイスダンスやペアがセックスのメタファーとして描かれているのに対して、どうしてこうも女子選手にエロティシズムを感じないのはどうしてだと、そんな話だった。
いや、フィギュアスケートにフェロモンは要らないんで、適切な技術と演技さえあれば、アスリートとしては十分なんだけど、やっぱりそれでは魅せるスポーツの割りにどうしたものだ、とそんな内容だった。
たしかに、伊藤みどりはすごかったけど、あれってだれもできそうにないすごさだよね。荒川は普通でいるときの方がしんなりして、それでいて強い表情があってきれいな子だし、村主は滑っているときはいいんだけど、それもどこかとってつけたような気がする。
そうしたなかで、14才で4回転サルコウを跳んでしまった安藤美姫はいいとする。ボクもまったく同感で、彼女は全然違うのだ。氷上で弾けている。そこに、17才なりの色香があって、この間のエキシビジョンのチアガールを模したものは、いやあ、最近見たダンスとか、この手のパフォーマンスで最も珠玉。「美姫はあ」というしゃべり方をどこまで容認するかということもあるけれど、自らを「美姫」と言い切る自意識も含めて実に興味深い。
コケティッシュと表現していたライターを支持します。非常に的確です。
で、やっぱりそういう流れがあるのか、最新号のNumberは安藤美姫がメインでした。