書評停止中

特定外来生物とかに指定云々でやけに感情的なやりとりが展開されていたブラックバスだが、ちょうどいい勉強になる本が出た。フライの雑誌社からのリリースで、いかにもフライの雑誌社らしい本でさっそく購入予約を入れようとbk1を見ると、もう予約停止。書評コメントにはフライの雑誌社からのものがあって、その他の書評投稿は停止されていた。これから発売されるからまあそうなんだけど、ことこのところに関してはブラックバス何が何でも反対派の人もあって、逆に擁護する人にも先鋭的な人もあって問題がなかなか整理できていない。そのため、奇妙な議論になるのを防いだのかなとちょっと考えてしまった。
ぜひ、手にとって問いかけてみたい。
「魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか」(著者: 水口 憲哉)
個人的には、

  1. 市場があるからブラックバスの一斉駆除はいけない
  2. 釣りを通して子どもたちに自然体験をすることは素晴らしいので、そのための最も身近な魚であるブラックバスを駆逐することはいけない
  3. 何でも食い尽くす外国からきた魚(←誤解)だからこの国にいてはいけない
  4. 元々いない放流された魚だから、駆除するのは当たり前
  5. どう猛な魚なので駆除すべき

といった言い方にはまったく同意できない。
そして、現状で単純に抱いている疑問は、

  1. 在来種以外の放流がいけないのなら、湖産鮎の放流、ニジマスの放流、異なる水系の種苗の放流、鯉の放流、ヘラブナの放流、そうしたものがすべて違法行為になる
  2. ブラックバスでなくても、ニジマスや岩魚、山女にしたところで、稚魚を食べている。もしかすると、遡上するサクラマスは鮎をどんどん食べている
  3. 生態系云々を言う前に、現状の生態系の理解ができているのか
  4. 子どもを人質にしてキャッチ&リリースの問題の突破を図るのは戦術的に支持できない

とまあ、こんなところだ。いずれ、森のマヨヒガ「本丸コラム」で扱おうと思う。前にも書いたような気がするけど。
環境省の大臣は、ニジマスがどこからどうやってきたか、鮎がどうして方々の川にいるのかご存じないようだし、我が国の在来種が肉食から草食に体質転換を果たしたレオ(まあ、しゃべれるくらいだから、かなりの肉体改造だろうな。もしかすると、義体か)のように草でも食っているような魚しかいないように思っているのか。メダカが減ったのは、バスが食ったからではない。メダカが暮らせるような環境がなくなったからである。ブラックバスがかろうじて生き延びれる環境が残されているばかりという、そんな感性には到底届きはすまい。