ラジオで

勤務の帰りにラジオを聴いていたら、これじゃ野球人気もなくなるだろうと。
ちょうど、力投を続けた上原が3点取られたシーンなのだが、アナウンサーはただただ興奮して、満塁満塁と叫んでいるけど、10分以上アウトカウントを言わない。イニングにいたっては、30分以上も言わなかった。一体、何を中継しているつもりなのだろう。伝える任務を失って、ライブ感だけを強調したどたばたした番組作りは、そうテレビのワイドショー的なものなのだ。バラエティの方がよほど気が利いている。ワイドショートの類似性は、生放送という辺りだろう。
テレビでも興奮絶叫阿鼻叫喚なアナウンサーが多い。球場の空気など何も感じないのか、ほとんど盛り上げようという意図しか見えない。
ボクらはゲームをイマジネーションで感じている。構成しているのはアナウンサーではなく、アナウンサーのことばに誘発されるボクら自身の風景なのだ。
朝、長嶋のコメントが紹介された。感激した。この人のことばは人を揺さぶる。何にも難しいことばを用いず、言い回しも普通。それでも、ボクをたたくのは、「野球はワードのスポーツ」と言うように、野球のプレイに根ざしたことばが自然に発せられるからであろう。