この人がいなかったら

中沢孝さんについて書かれたものを集めた本。中沢さんにかかわった人々から、人となりが見えてくる。この人がいなかったら、フライフィッシングをめぐる状況はずいぶんと違ったものになっていたはず。釣りは遊びだ。面白い方がいい。しかし、楽しめない状況がある。なぜ楽しめないのか。問いかけが中沢氏の基本にあり、それに呼応した人々のことばでフライフィッシングの今が立ち上がる。

とレビューを書いてみたが、ボク個人として、あのときちゃんと連載を完結しておかなかったことに悔いを残している。どうしても忙しさ、職場環境が激変したことに対応しきれなかったのだ。すぐに書き出さなかったのはなぜだろう。「そこらへんの川」という、誰あろう中沢さんが提示してくれていたテーマがすぐそこにあったじゃないか。別に釣りなんかしていなくたって書けたはずなんだ。逃げていたのかな。悔しい。
今、奇妙にフライフィッシングが愛おしい。