教育言説
何だか急に勉強したくなった。
ようやく、前の職場の独特の感覚と切り替えてことばを用いることもできるようになってきた。
- 作者: 村井実
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1988/01
- メディア: 単行本
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そうしたなかで、最も変なのは「よさ」である。元々、中教審で村井実が使ったことばが広がったものだが、これはもともと「善さ」で、善悪の「善」で何だか倫理的に取られてしまうので、「よさ」とひらがなにしたらしい。そうしたら、いよいよ誤用、まあ、意識していないのだから、誤謬にしておこう。誤謬が繁茂した。
この本でそうしたことは容易に明らかになるのだが、「善さ」とは何かを問いかけ、それに向かって生きることを「善さ」と言う。ボクはそんな置き方をしている。算数のよさとか、理科のよさ、追究のよさ、なんてのは「善さ」そのものではない。「善さ」を求めるに派生して現れるひとつの表出に過ぎない。
そんなこというとわかんないと言われるんだよね。
先日も、学校の先生方の集まりに招かれて、インタープリテーションについて説明するのに困った。凝り固まったことばをどう解していくのか、ボクが10年以上考えているのはそのことらしい。イニシアティブゲームでことばでのやりとりを殊更に重視するのは、どうやら、そのせいでもある。「つらい」と「つらかった」の間に横たわる差延に、教育者はもっと敏感になろう。